クロトの微笑。

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それは突然訪れた悲劇。





「もう来なくていいよ。君の席はない。」



藤「えっ！？どういうことですか！？」



朝出勤して
いきなり上司に呼ばれた。




上「最近、不景気でね……。この会社もその影響を受けてしまって…。君はまだ若いだろ。他のところでも上手くやっていけるさ。」




そんな事言ってるけど




上司の本音なんてわかってる。

結局は
俺なんてこの会社に
必要ないってことだろ。



そうか……
俺は……
リストラ………されたらしい。





デスクの片付けをしていると

周りがコソコソと話すのが
耳に障る。


最悪だ。
こんな所にいたくない。


そそくさと
片付けて

部屋を出る時


藤「今までお世話になりました」


そう言って逃げるように会社を出た。








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藤「……………ただいま」


彼女「おかえりなさい………って、帰ってくるの早くない？」




藤「会社クビになった。」


女「はぁ！？嘘でしょ？どうするのよ！」


藤「それを今から考えるんだろ！」


女「甲斐性ないのね」



帰ってくるなり
配慮のない言葉を浴びせる彼女に
腹が立つ。


藤「うるさい！もう出ていけよ！」



女「えぇ！言われなくても出ていくわよ！…ニート男なんて無理！もう別れましょ」


藤「俺だってお前みたいな女無理だ！」




そして彼女は出ていった。









絶望だ。

俺にはもう何も無い。





藤「…ｳｯ、………もう嫌だ………」



溢れ出す涙。


絶望感が襲う。









そんな時
ふと、遠い地へ行きたくなった。



今俺がいるここは
辛い思いしかない。








そうだ、どこか遠い遠いところへ
行ってしまおう。




俺にはもう
失うものなんてないのだから。









そんな事を考えていたら
自然と俺は家から離れていった。

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