クロトの微笑。

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藤「鼻血は....出てないですね」

北「...うんっ....」





子供の様に、大きく首を縦に振る




藤「痛いところはありますか？」

北「うぅ...ここっ！」









両手を高く上に上げて
その手を自分のおでこに




ほんとに30ですかと言いたくなる可愛さ







北「..んっ...ぐずっ..泣いてないもんっ...」

藤「え？」

北「痛いけど、泣いてないもんっ！！」

藤「き、北山さん！？/////」







あの......うん。



俺はなにも言っていない




この人、態と？



この可愛さは計算なんだろうか







シスターが持ってきた救急箱から
消毒液と絆創膏を出して....






藤「北山さん、ちょっと沁みますよ？」

北「は、はいっ.....」







北山さんのおでこは擦り傷になっていた






消毒液を一滴垂らすと....






北「...ひゃっ！！....いちゃいっ....」








痛さで呂律が回っていないよう






シスターの手を握って耐えている








絆創膏をして





藤「はい、できましたよ」

北「あ、ありがとうございますっ/////」

藤「いえいえ、さ、お祈りの時間でしょ？」

北「うん....シスター、いい？」

シ「はい」




シスターはニコッと微笑んで
パイプオルガンのイスに座った






教会に鳴り響くパイプオルガンの音





それは自然と、俺に安らぎをくれた




何もかも失った俺だけど



生きていれば、なんとかなる。





聖母の像を見ながら
胸の前で両手を合わせて握る女神の横顔






俺は確信した





俺にとっての女神とは、この人なんだと





クロト様、俺に微笑んでくれますか？

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