* ページ9
.
校庭に出て、正門を出る
蒼はちょろちょろと走り回り周りを見渡す
「 いたか? 」
そう聞いてみると蒼はぶんぶんと首を横に振る
( どうすっか…。 )
俺は携帯を取り出し、ラインを開く
( いるかな、いないかな…。 )
数多い友達の中からある文字を探す
「 あった。 」
携帯の画面には《 斎藤凛 》の文字
多分斎藤は由美さんと仲が良い…と思うから今日も一緒に帰っていると思う
俺はそこにある電話のマークを押す
プルルルルルル……ガチャ
『 もしもーし? 』
「 あ、俺、上村です。 急に悪い。 」
『 全然大丈夫〜。 どしたの? 』
「 林さんと今一緒? 」
『 いや、由美なら図書委員の仕事があるって。 』
「 おけ、さんきゅな。 斎藤。 」
『 いえいえ〜。 』
携帯を鞄の中にしまい、蒼に話しかける
「 蒼、そういえばまだ校内見てなかったよな。 」
「 え? あぁ、見てねーな。 」
「 見てみようぜ。 校内も。 」
「 わかった! 」
そうして俺たちは昇降口へと踵を返した
「 俺は放送室とか見てみるから、蒼は……。 」
「 ん? 俺は? 」
____図書委員の仕事があるって。
合わせたくない、二人を
合わせたら何か嫌なことが起こりそうで
合わせたくない、けど
「 蒼は図書室とか見てみろ。 」
「 おう! 分かった! 」
( 俺はお前の幸せを願ってしまうのだ。
たとえ、自分の願いが叶わなくても。 )
蒼はぱたぱたと走って行った
俺はその姿を見送り、蒼の姿が見えなくなったところでふぅ、とため息をついた
俺は昇降口へと行き、靴を履く
そして、家に向かった
蒼はきっと由美さんと会ったら一緒に帰るだろう
そこに俺がいるのは耐えられない
( ごめん、蒼。 )
.
70人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
クラ - とっても、面白かったです (2017年9月28日 16時) (レス) id: 2a765dcfd1 (このIDを非表示/違反報告)
佳仁(プロフ) - 何回も読みたくなります!消してほしくないです (2017年8月22日 19時) (レス) id: 6bff3cee54 (このIDを非表示/違反報告)
さあさあ - 消しちゃうなんてもったいないです・・・残念です・・・ (2017年8月22日 1時) (レス) id: 1d354ecbc8 (このIDを非表示/違反報告)
アオ - 間に合ってよかったぁ、面白いです! (2017年8月21日 21時) (レス) id: ce8af5c15e (このIDを非表示/違反報告)
翔也(プロフ) - 三日間に間に合って良かった(´・∀・`) (2017年8月21日 15時) (レス) id: 8a71459d56 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:さかな | 作者ホームページ:無気力組とシェアハウス、してみたくない?
作成日時:2017年8月20日 14時