イルカは半分だけ眠る7 ページ27
少し考えて、パッと閃いた。
ああ、探偵社、と。
探偵社がどうしたとか、何をしているとか、全然何もイメージ出来ないが、探偵社員になればいい、と思った。
後付けの理由を考える。
まず、福沢諭吉が社長で、昔一度だけ面識がある所。
将来太宰も入社すること。
これからの物語の中心になっていく事。
……うん、かなりいいんじゃないか?
「太宰、もし俺がポートマフィアを辞めたいと言ったら、協力してくれるか」
「……え、やめたいの?」
「考えてはいる」
「本当は引き止めたいけど、どうせ聞かないんでしょ」
「多分な」
「……うん協力するよ。それが織田作が考えて出した答えなら」
「助かる。じゃあ、早速辞めようと思うんだが、どうすればいい?」
「え、今から!? せめてもう少し後に…いや、いっそポートマフィア辞めれば事件にも巻き込まないか…」
なんだかんだ協力してくれるらしい。
織田作はいい友人を持ったものだ。
太宰に任せておけばなんだかんだやっといてくれそうな気がする。
他力本願で悪かったな!
「……安吾にも話しておこうか。協力してくれるかもしれない」
「ああ、助かる」
・
「はあ、織田作さんが退職、ですか」
「ああ」
「なんでまた急に」
「太宰の家に強制宿泊されそうだったから」
「もう少し分かり易い日本語でお願いします」
太宰は何かと忙しそうだったので、私は1人で安吾と会う事になった。
多分、あのまま太宰の家に居たら私は手足拘束されて身動きの取れない状態になってた。織田作を死なせない為なら、そのぐらいやってのける男だ。
太宰がまだマシな思考回路しててよかった。本気でヤンデレじみたことされたら太刀打ち出来ない。
「太宰に捕まって」
「ああ、ようやく」
ちょっと待て、ようやくって何だ。
「逃げ出す為の手段に退職、だな」
「随分と過剰な気がしますが」
「太宰が相手だぞ」
「ああー」
ああー(納得)って事だろ分かってる。
「織田作さんは元暗殺者ではありますが、ポートマフィアの中では最下級構成員。そして現在人を殺していない。ポートマフィアを抜ける事は容易いです」
容易い、だと? 原作で樋口さんが『簡単ではない、が不可能ではない』って言ってたことを容易いとは……
「やはり安吾は凄いな」
「当然です。僕はエリートですから」
ブレないなあ、安吾は。
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翡翠 - 凄い文章力の羅列…裏山しいたけ(古い)何なんだ !あなたは !天才か! ?文豪じゃないのk(( はい。これからもどうか、頑張っていってください !更新を心待ちにしております!!! (2019年12月11日 1時) (レス) id: 72fefee69b (このIDを非表示/違反報告)
らい - 面白い........!これからも更新頑張ってください。応援しています。 (2019年8月9日 2時) (レス) id: 3b0d55ccc1 (このIDを非表示/違反報告)
チューリップ - 織田さんの成り代わりある様でないですよねぇ〜。更新待ってまーす (2019年4月4日 1時) (レス) id: 8fad14733d (このIDを非表示/違反報告)
ひな - とっても面白いです!更新楽しみにしています。頑張って下さい! (2018年12月3日 15時) (レス) id: 81fb36e344 (このIDを非表示/違反報告)
世桜 - 凄く面白くて、一気読みしました!!細かな心情が描かれていて、続きが気になります。更新心待ちにしています。頑張って下さい! (2017年4月10日 0時) (レス) id: f27162b486 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まあじ | 作成日時:2016年6月12日 11時