徹夜明けのコーヒーは美味しい ページ8
「昨日エーミールとかゾムとか様子おかしかったからちょっとカマ掛けただけやねん。別に深い意味はないよ?」
「そうですか……」
割といじられキャラだと思っていたのに観察眼はそれなりにあるようでその視線が少し居心地悪い。
「まぁキャスくれた仲やし言いふらしたりはせんよ」
「……お気遣い頂きありがとうございます」
「ふぁあ……そんなら僕寝るから。またなぁ給仕君」
「はい、おやすみなさいませ」
今から寝て朝食の時間に起きれるのだろうか?あと1時間位しかないが……まぁ俺には関係ない事だろう。
hi-liteと別れを告げ食堂に向かうと厨房が稼働したようで美味しそうな香りが漂う。
相変わらずバグったメニュー数を見ているとどんどん目が死んでいく気がするから深くは考えないでおこう。
メモによると朝食を全員が揃って食べる事は少ないようだ。朝食の開始時刻である8時から10時の間に来た幹部達に配膳する流れらしい。昨日から思ってたけどもうバイキングみたいに自分で取ればいいじゃん。俺の仕事無くなるけど……
皿や器具の準備をしていると食堂に誰かが入ってくる音がする。
顔を上げるとそこには書記長様が立っていた。
「おはようございます書記長様。……もしかして寝ていませんか?」
「給仕君おはようさん……大丈夫や……まだ四徹……」
「……本日必ず手伝いに伺いますのでしっかり睡眠時間を確保して下さいね」
「すまんなぁ……悪いけどコーヒー作って貰える?」
「かしこまりました。種類にご指定は?」
「何でもえぇよ」
「少々お待ち下さい」
作業の手を止め、書記長様に目覚めの一杯を作る事となった。エスプレッソでいいかな……食後によく飲まれるものだが濃い味だし目も覚めるだろう。
ガリガリと豆を挽いてフィルターに移し、お湯を注いで抽出を待つ。
程なくして豆のいい香りが鼻を擽りポットには真黒い水が溜まっていた。
湯気を立てたエスプレッソコーヒーは目測を誤り2杯出来てしまったので僭越ながら一緒にお茶させて頂こう。
「書記長様、お待たせいたしました。エスプレッソを煎れたんですが量が多くて……ご一緒させて頂いてよろしいでしょうか?」
「もちろんええよ。ありがとうな」
お隣に座らせて頂いて他の幹部が来るまで暫し書記長様とコーヒーブレイクを楽しむ事にした。
「あ〜……美味いな」
「それは良かったです」
しみじみとコーヒーを味わう書記長様は絵になっている。……それにしては目の下の隈が悲惨な事になっているが。
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アラバ - めっちゃ好きです、、、!更新楽しみに待ってます!!! (2020年12月14日 15時) (レス) id: 0fc2752c87 (このIDを非表示/違反報告)
虚(プロフ) - とてもドストライクな作品です!お気に入り失礼しますっ!更新幾らでも待ってますっ! (2020年3月27日 8時) (レス) id: 7c0e52b0b9 (このIDを非表示/違反報告)
もち。 - 元気でよかったです!!給仕くんの性格めちゃめちゃ好きなので、楽しみにしています。気長に待ってますのでご無理なさらず…!応援してます。 (2019年12月27日 12時) (レス) id: 61ae191a92 (このIDを非表示/違反報告)
如月 鰊(プロフ) - 勝手に完結してしまっていたのは、ユーザー投票の機能だと思われます。一ヶ月以上更新がないと、読者へ「この作品は一ヶ月以上更新されていませんが、完結していますか?」という質問が設置される仕様です。それで完結しているへの投票数が多かったからだと思います。 (2019年12月7日 20時) (レス) id: 13b509db5c (このIDを非表示/違反報告)
酢漿草(プロフ) - 主さん元気で良かったです待ち続けた甲斐がありました泣これからも楽しみにしてます!頑張ってください! (2019年12月7日 11時) (レス) id: cfae73eccd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花緑青 | 作成日時:2019年8月23日 3時