恋は戦争【TH×You×JK】

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ゲリラ豪雨。
一瞬にして地面の色が変わった。
むせ返るような夏草とアスファルトの匂い。






雨で景色が煙る。
折りたたみ傘、持ってきてたのに、出す暇もなかった。



「わー、お互いびしょ濡れだね」



『ハンカチ、使いますか?』




金髪が細く張り付く彼の額にハンカチを添えると、
私の手首をなかなかの握力で掴んだテヒョン先輩は、




何も言わずに私を抱き寄せて、
慣れた感じでキスをした。





驚きすぎて抵抗もできず、
でも嫌な気持ちなんてものも1ナノも無くって。





それでもやっぱり、
身を捩ろうと努力した。




力強い腕がそれを拒んで離さなくても、
必死に抗った。





これは、何を意味するキスなんだろう。




それこそ、先輩にとって、
たまにセ ックスする女の子達とするのと変わらない、
大した意味のないキスなのだろう。





ああ、やだな、取り巻きへの招待状。
私は、彼を寂しくさせるモノの一部になりたくない。




頭では分かってるのに、苦しくて拒みきれない
そんな、自分が、もっと嫌。





5秒後の落雷で唇が離れた後、



彼はキスなんかまるでなかったかのように




「雨、やまないね」




と言ってそっぽ向いた。





居たたまれなくなった私は、
何も言わずにバッグから折りたたみ傘を取り出し、
先輩に無理やり手渡して、
豪雨の中に飛び出した。

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