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「んえ?」



アイスを落としそうになって
慌てたテヒョン先輩が、



なんで?と言うように私を見つめる。




「俺、夏好きそうじゃない?」




『好きなんですか?』




「まぁ、いや、別に。普通?あーでも、入道雲は怖いかなー」





先輩が茶化すみたいにへらりと笑ったけど、
私はうまく笑えずに、





『わかる気がします』




真顔でそう答えた。


 

だって、なんだか本当に
怖がってるみたいだったから。





痛々しいほどの青い空に立ち昇る入道雲って、
なんだか圧倒的だ。

足がすくみそうになる。




そして先輩は、なぜかそのままベンチに居座り続け、
私たちはくだらない話をした。



私は本に視線を落として、
テヒョン先輩はアイスの棒を噛りながら。



どちらからともなく、
時々、ぽつりと落とすように一言何かを呟いては、
またぽつりと返事をした。




「夏休みなのになんで学校来てんの」




『課題に必要な本を借りに来ました』






ミンミンミンミン…



「今日バイトなんだーダルいなーさぼっちゃおっかなぁー。君、遊ぶ?俺と」



『余裕そうですけどこの課題、先輩にも出てましたよね』




「うける、知らない。写させて」





『だめ』






ジーワジーワジーワ…






「友達できた?」





『はい』





「うそ。マジで」





『勝手にぼっちにしないでください』






ミンミンミンミン…





会話、蝉の声、会話、蝉の声、沈黙
そんなことを何度か繰り返した後、






「たまにね、なんか無性に、ここに来たくなるんだけど。空見ながらボケーっと、だらーんとしたくて」






先輩が、木漏れ日のシャワーを
浴びるように顎を上げて天を仰いだ。





顎のラインとか、




喉や鎖骨の窪みにおちる影でさえ
こんなにも美しいなんて、





この人はきっと神様が特別丹精込めて創った
一級品に違いない。







「こう、ぼーっとしてるとだね。俺ってほんと、最低な人間だなって、改めて思うわけ。本当だったら、ゴミ箱にポイッと捨てられるような、そんな人間」





ポイッてゆう言い方が、可愛くて、
でもキュッと胸が締め付けられて、
思わず本から顔を上げてテヒョン先輩の顔を見た。



案の定、彼はいつものゆるい笑顔ではなくて、
睨むように空を捉えた三白眼は
氷みたいに透き通っていて、
じっと見つめてしまう。





それにしても、
最低な人間って、
どうゆう意味なんだろう。

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設定タグ:BTS , ジョングク , テヒョン   
作品ジャンル:タレント
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オサナイ(プロフ) -                   さん» コメントありがとうございます^⁠_⁠^停止してしまっていてすみません。。タイミング見ながら進めたいと思います! (2022年11月15日 0時) (レス) id: 2a01e4e00e (このIDを非表示/違反報告)
                   - 更新楽しみにしてます! (2022年11月12日 2時) (レス) id: cfb035f70c (このIDを非表示/違反報告)
オサナイ(プロフ) - ips403さん» いつも感想ありがとうございます♡こちら改行含め手直ししたいと思ってますー!自分でも話忘れてるのでお待ち下さいw (2022年8月25日 14時) (レス) id: c4780ee8d4 (このIDを非表示/違反報告)
ips403(プロフ) - オサナイさん、いつも作品楽しく何度も何度も読ませていただいております!言葉のチョイスや表現のセンスが素晴らしくてどんどん読み進めちゃいます!このお話しも大好きなのでお忙しいと思いますが更新楽しみにまってます❤️ (2022年8月21日 12時) (レス) @page28 id: 9fa96337fd (このIDを非表示/違反報告)
オサナイ(プロフ) - 猫のペルシャさん» わーありがとうございます!^_^更新停止してしまっているにも関わらず、ご評価頂けて嬉しいです^_^ (2022年8月3日 23時) (レス) id: c4780ee8d4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:オサナイ | 作成日時:2022年1月8日 21時

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