恋は戦争【TH×You×JK】

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「今日暇そうだね」
　


『ホール一人なので助かりました。まかない、リクエストありますか?』



「ボロネーゼ、メガトン盛りで」



『メガトン盛り』



「やっぱ超メガトン盛りで」



『超メガトン盛り?』




あ。笑った。





初めてちゃんと笑ったところを見た。




嬉しくなって、Aの小さな歯と、
えくぼが愛しくなっちゃって、




『伝えてきますね』




微笑んで、キッチンの方に歩いていく
姿勢の良い背中から目が離せなくなった。





そしたら、




「さっき注文とりにきた子、可愛くない?」




「俺も思ったー!」


3席離れた席の大学生らしき男の二人組が、
Aの話をしはじめたから、思わずそっちを見た。





「顔タイプだし、めっちゃ足綺麗だった」




「腰細いし、えろかったねー笑」




「今日何時に終わるのかなぁー」




「番号聞こうぜ」




は?

Aの足が、なんだって?
えろいって、どこ見てんだよ。



なんなのコイツら。



　
…確か今日はホール一人だったはず。
じゃあ料理できたらまたAがあいつらのところに運んでいかなきゃいけないってこと?




そんなん、絶対駄目だ。





「店長すみません」




「わっジョングク!ノックしてから入ってよ!てか何その顔、人でも殺めてきたの?」




「僕、時給いらないんで1時間だけホール出てもいいですか」




「え、いいけど店すごい暇じゃない?Aちゃん一人で充分…」




「店長の顔採用のせいでゴキブリが出てるんですよ」




「僕のせいでゴキブリが?!やばいじゃん、殺虫剤…」




「いいから僕をホールに出せ」



「はいッ」
　


涙目の店長からエプロンを奪って、
キッチンへと駆け込んだ。




『あれ?どうしたんですか?』




キョトンとしてるAの額をパチンと叩く。




『痛ッ!なに…』




「隙だらけ女」



『え?』




「その料理3卓のでしょ?僕に貸して」




有無を言わさず料理ぶんどって、
さっきの奴らのところに運んだ。
　


そしたら、あからさまにがっかりした感じで僕を見て、気長に店の前で待つかーなんて言ってる。





はぁ。

しつこいな。
仕方ない。




「今日何時終わり?」




『17時ですけど』




額を抑えながら訝しげに僕を見つめるA。




「待っとくわ」




『なんでですか?』




「胸に手を当てて、自分で考えて」

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