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チラッと視界に入ったAは、
僕みたいに動揺することもなく
、いつもの感じでオーダーをとっていた。



なんとなく、悔しい気持ちになる。



次にAに触れられたのは、
翌週のことだった。




下げた皿をシンクに入れているA。




その上の棚に入っている、
肉料理用の鉄板皿を取ろうとした時、
油で汚れたタイルで滑ってしまい、
体勢がぐらついた。




やば!





棚から崩れ落ちる鉄板が
Aに降り注いでいくのが
スローモーションで見えた。




Aは僕を見て驚いているから
気づいてはいなくて、
慌ててキッチンに左手をついて、
右手でAを引き寄せた。





ガシャガシャと物凄い音を立てて、
皿がタイルに叩きつけられていく。




でも、僕の意識はすでにそこにはなくて、
胸の中にすっぽりおさまったAの
シャンプーの匂いと体温で、
ドキドキが止まらなくなっていて。





僕はきっと真っ赤になってるんじゃないかとか、
Aはどんな顔をしてるのかなんて考えていたら、




『…ッ!ジョングクさん!』




急にAに左手を掴まれて、
蛇口を全開まで捻ったシンクに導かれた。




『左手、鉄板についてました。このまま冷やしておいてください』





手はすぐに離れたものの、
掴まれた手首の感触とか、
すぐ近くにある顔にまた鼓動が速まって、





僕は「ごめん」となんとか
絞り出すことで精一杯だった。





『大丈夫、ですか』


いや、大丈夫じゃありません。




心配そうに眉をひそめて
こっちを見てくるAは、
やっぱり顔色ひとつ変わっていない。




「A……さんは怪我ない?」




『私は大丈夫です。水ぶくれにならないといいですね』




Aがホールに出たあと、
キッチンのヒョン達にものすごくからかわれた。




「顔真っ赤にしちゃってーーー笑」




「驚いただけです」




「なんで俺のAちゃん抱きしめてくれてんだマンネよぉー」




「は?誰のAですか?」





ぷりぷりしながら仕事に戻るけど、
やっぱり火傷になっていたみたい。




ジクジク痛むたびにあの瞬間を思い出して、
なんとも言えない、
暴れだしたくなる気持ちに襲われた。





だめだ、他のことを考えよう。




その日のバイト終わり、なんと、
一時間前に上がったはずのAが
店の前で待っていた。




「え、どうしたの」




警戒心と喜びが混ざると、




『今日は、かばっていただいてありがとうございました』

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設定タグ:BTS , ジョングク , テヒョン   
作品ジャンル:タレント
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オサナイ(プロフ) -                   さん» コメントありがとうございます^⁠_⁠^停止してしまっていてすみません。。タイミング見ながら進めたいと思います! (2022年11月15日 0時) (レス) id: 2a01e4e00e (このIDを非表示/違反報告)
                   - 更新楽しみにしてます! (2022年11月12日 2時) (レス) id: cfb035f70c (このIDを非表示/違反報告)
オサナイ(プロフ) - ips403さん» いつも感想ありがとうございます♡こちら改行含め手直ししたいと思ってますー!自分でも話忘れてるのでお待ち下さいw (2022年8月25日 14時) (レス) id: c4780ee8d4 (このIDを非表示/違反報告)
ips403(プロフ) - オサナイさん、いつも作品楽しく何度も何度も読ませていただいております!言葉のチョイスや表現のセンスが素晴らしくてどんどん読み進めちゃいます!このお話しも大好きなのでお忙しいと思いますが更新楽しみにまってます❤️ (2022年8月21日 12時) (レス) @page28 id: 9fa96337fd (このIDを非表示/違反報告)
オサナイ(プロフ) - 猫のペルシャさん» わーありがとうございます!^_^更新停止してしまっているにも関わらず、ご評価頂けて嬉しいです^_^ (2022年8月3日 23時) (レス) id: c4780ee8d4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:オサナイ | 作成日時:2022年1月8日 21時

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