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それから3日間、生意気な同居人と顔を合わすことはなかった。
有り難いことに、どうやら向こうは夜型人間らしく、昼型の私との生活は完全に行き違った。
このままなんとか関わらずに済みそうだ、と思った4日目。
仕事で使う文具や細々したモノを買いに出かけて、なんだかんだと遅くなり、遅めの夕食を頬張っていたら、
ジョングクが、寝ぼけ眼でのっそりと部屋から出てきた。
「うわ…会っちゃった」
うん、無視だ無視。
不可侵なのだから。
『あ…』
でも。
ちら、と目が合って、ジョングクの顔を見れば、なんだか青白いし、心なしか頬が痩けてるような気がした。
そういえば、ゴミ出しした時にも思った。
この子、生活した形跡がほとんどないなって。
『ねぇ、まさかと思うけどご飯食べてないの?』
「なんで」
『顔色悪いし…なんか痩せてない?お金なくて食べれないの?』
「忙しくて食欲ないだけ。コンビニのご飯食べる気しないし」
『…そう』
ジョングクが、お皿に盛られたプルコギをじっと見つめた。
もしかして、食べたいのかな。
いや、また彼女面すんなとか、話しかけるなとか嫌な顔して言われるんだ。(あと、45点とか)
きっとそうだ。
そうに違いないのに。
私の性分が、ジョングクのことを放っておけないと言っている。
『ジョングク、良かったらコレ食べる?』
「…どうせ食べたらなんかしなきゃいけないんでしょ」
『んえ?』
「だから、俺にご飯あげてあんたに何かメリットあるんですかって話。俺になにかしてほしいからくれるんじゃなくって?」
『顔色悪いから心配しただけなんだけど。あと、前回炊飯器空っぽにした人の台詞とは思えないよね』
しかも、そんなこと言っておきながらよだれたらしてるし、食べる気満々じゃない?
さっきまでの死んだような表情はどこへやら。
爛々とした目が可笑しくって、思わず吹き出した。
『別にジョングクになんにも求めないし彼女面もしないし干渉もしません。45点のご飯でよければどうぞ』
私が笑ったのが気に食わないのか、ジョングクはそっぽを向いた。
あれ、でもなんだか、耳が赤いような。
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オサナイ(プロフ) - namiの部屋さん» namiの部屋様、嬉しいコメントありがとうございます^_^サディスティックなグクちゃんもいいですよね♡わかりみが深すぎますw (2022年9月24日 21時) (レス) id: 5bc8bd2025 (このIDを非表示/違反報告)
namiの部屋(プロフ) - まだ読んでる途中なんですけど我慢できずにコメントさせていただきました!何年もうらつく愛読してますが久しぶりに私のドストライクの小説と出会えました!!このドSグクのキャラ最高です大好きです!引き続き楽しく読ませていただきます!更新頑張ってください! (2022年9月24日 14時) (レス) @page13 id: bde19c8f5c (このIDを非表示/違反報告)
オサナイ(プロフ) - ukさん» uk様、勿体ないお言葉ありがとうございます;勿体なさすぎて焦りますwこれからも悶絶していただけるようにw、頑張って更新しますー! (2022年9月3日 11時) (レス) id: 507e311f10 (このIDを非表示/違反報告)
uk(プロフ) - て、天才なのでしょうかと何度も思いました。オサナイ様の書くグクが可愛くてかっこよくて何度悶絶したか…。続きを読むのを楽しみにしてます。 (2022年8月31日 18時) (レス) @page50 id: 1deb3068ed (このIDを非表示/違反報告)
オサナイ(プロフ) - せなさん» せな様、感想ありがとうございます♡勿体ないお言葉でございますッ。グクテテ、バチバチしてますね笑 たくさんたくさんバチバチします、これからもきっと笑 (2022年8月30日 19時) (レス) id: c4780ee8d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:オサナイ | 作成日時:2022年8月11日 19時