最低な同居人【JK】

不器用すぎるヤツ×JN ページ29

「ジェイケーイ、 なんか今日機嫌よくない?」



　




「普通ですよヒョン」








「いやいや、どの顔が言ってんの」









カウンターの一番端。
ジョングクの特等席。





いつも仏頂面で、眉をしかめて座ってるヤツが、
今日は口角をギュンと上げて、
ニヤニヤ、ニマニマしながらモヒートを飲んでる。









「なんか、いい事あったんでしょ。ヒョンに聞かせてよ」










「ありません」










「だって顔ゆるっゆるだよ?」









「しつこいです。マンチカンくらいに肩幅縮めますよ」








「怖ッ、肩幅ないに等しくない?マンチカンは」








言ってること怖いけど、やっぱり顔ゆるッ。




この子のこんな顔、初めてみるかも。








「ルームシェア、うまくいってるんだ」








「別に。普通です」








「同居人と喧嘩してないだろうね?」







「するわけないじゃないですか。今日も迎えに行ってやるんですから」







「は?…え?」








今、なんて言った?
ジョングクが、女の子のお迎えに行くって?








「お前、頭でも強く打ったんじゃない?そんなキャラじゃなかったじゃん。ゲスの極みキャラだったじゃん」









「そんなキャラだった覚えはないんですけど」








いや、だって…。







すごいな。







その同居人、一体どんな子なの?









「あ、カトク来た。出来が悪いから居残りさせられるみたいです。このマヌケ…と」







「え、カトクも教えてんの?」







「分厚い肉が食いたい…、は?昼にステーキ食べたらしいです。な、ま、い…き」








「ご飯も作ってもらってるの?!待って待って!」








「なんなんですかヒョン、さっきから」








「いやいや、だって。いつものジョングクと違いすぎて…」







「は?そうですか?」







自覚もないんだ。








不器用な子だとは思ってたけど、
まさかここまでとは…。





　


「えーっと…。いつかここに連れてきて、僕にも会わせてよ」








「考えておきます」









そう言ってスマホを見つめるジョングクの顔は、
やっぱりニヤニヤして、優しくて、






恋に浮かれる、年相応の少年みたいに見えた。







恋…ね。






「そういえば、昨日ハンナが来たよ」









「…」









「お前は来ないって言ったけど、朝までねばってたよ。会わなくていいの?」









「もう会わないって言ってるじゃないですか」

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す