最低な同居人【JK】

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「俺、送ろうか?」










『え、いいよいいよそんなの!』








「だって」








『ジミンにお願いするなら、テヒョンにお願いするよ!彼女に悪いもん』








ふにゃり、と笑ったAの言葉に、
なぜかショックを受けた俺がいる。







いや、テヒョンは最寄り駅が一緒だし。








Aの言うとおり、俺、彼女いるし。









分かってるんだけど、
なんか…。







え、いや、
なにこの感情。









『それに…これからは大丈夫だと思う』







「え」







Aが、さっきよりも柔らかく笑った。






その表情にドキッとしたけど、
今のは何かを…誰かを思い出した顔だと気づいて、
眉をしかめる。









「…なんで?」









『えへへ』








教えないよって、おどけて、
俺の手を引く小さな手。









『やばいよジミン!朝礼始まってる!』









タイトスカートなのに構わず猛ダッシュする後ろ姿。








テヒョンの横に滑り込んで、照れ笑いする横顔。








元々可愛いとは思ってたけど、
入社してから、やたらめったら可愛く見えるのは
気のせい?








どちらにせよ、こんなにモヤモヤするくらいなら、
誰を思い出したのって、聞けばよかった。







まさか、テヒョンじゃないよな。






もしそうだとしたら、テヒョンから俺に、
なんかしら報告があるはずだし。






それに、Aに彼氏がいるなんて話はきいてない。








俺の…思い過ごしか?









モヤモヤを残したまま、
午前中は先輩の商談を見て、延々とロープレをした。






ロープレの出来は俺が一番評価されて、
テヒョンは「仮にここが宇宙だとしますよね?」
なんて四次元を爆発させていた。





頭を抱える先輩を見て、俺もAも
笑いを堪えるのに必死だった。






Aはと言えば、こういう場は緊張しないのか、
安定した商品知識と落ち着いた口調で、
全く問題なんてなかったのに、









「Aは今日居残りで練習」








って、先輩に肩を叩かれていて…。







テヒョンとバッチリ目があった。








「上手だったよね?あれ、狙われてない?」







「だよね」










まぁ、当の本人は案の定
全く気付いてなくて、








『私だけ居残りとか落ち込むよぉぉおおおお』








って、社食で凹んでいたけど。

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