最低な同居人【JK】

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『迎えに?なんで!?』








「ぐぅーすかぴぃー」








『いや、演技下手すぎでしょ』







これは…




もしかしなくても、私を心配してくれた…
ってことだよね?








さっき飛び起きてしまった時の声が、
聞こえてしまったのかな。







どうしよう。







嬉しいけど。







なんか緊張する。








セミダブルベッドの端の方で
爆音の心拍を聞かれないように、体を縮めるけど、





それでもどうしても触れてしまう
背中のゴツゴツした感触、体温、
ジョングクの匂いに、全く眠れそうにない。






　

「ねぇ」







『あ、はい』






「シャンプーの匂いやめてくんない」







『…どうやって?』








その無理難題はなにゆえ?








「それは自分で考えて」







『あなたが鼻をつまめばいいんじゃなくって?』








「愚民が王を動かそうなんて100億光年早いよ」








『やだ、ジョングクキングダムから住民票移したい』









「駄目」









駄目なんだ。





なに、今の言い方、可愛い。
不覚にも、ちょっとキュンとしてしまった。






相変わらず、ぶっきらぼうだし、
その背中は頑なだけど。








「ね、ジョングク」






寝返りを打って、ジョングクの背中を見つめた。







広くて、肩甲骨の形がはっきり分かる、男らしい背中。








「ありがとうね」








シャツを摘んで、ツンと引くと、






ジョングクがビクッと肩を上げた。







「おかげで、怖くなくなった。暑いし狭いし、ちょっと意味分かんないけど、ありがと」










私がそう言うと、ジョングクは、








「なんでお礼より文句の割合の方が多いの」







って、掛け布団を引っ張って私からひっぺがし、抱きまくらみたいにしてから再びそっぽを向いた。








『ちょっとやめてよー、冷える!!』








「さっき暑いって言ったじゃん。寒いなら冷房消せば」







『冷房キンキンの部屋で布団に包まるのが気持ちいいんじゃん』


　





「SDGsってご存知ですか」











それからしばらく掛け布団を取り合って、







疲れた頃にはウトウトし始めて、気付いたら朝だった。






目を覚ますと、目の前にびっくりするくらい美しい顔があるから、盛大に噎せた。








ジョングクは、真ん丸な目でパチクリ瞬きをして、





「あんた、でっかい口開けて寝るんだね。食われるかと思った」





そう言って笑った。

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