30話 ページ30
Aが｢分からないから案内してね。｣って差し出した手をぎこちなく握り返して、モールに案内してるところ。
でも、強く握るべき？
それとも、そっと？
どっちにしろ手汗が凄くて、引かれないかな･･･。
｢ねぇピーター、ピーター？｣
｢え、何？｣
｢あのね、ちゃんとぎゅって握ってもらえた方がいいかな？ピーターの力って強いのね、中途半端だと、その手が痛くて･･･｣
そう言われて繋いだ手を見れば、今の僕は手のひらの両端を摘むように握るだけで精一杯だったみたい。
手のひらが、ぎゅって寄ってこのままじゃ骨をおかしくしちゃう！
｢ごめん！大丈夫？･･･あー、ごめん･･･慣れてなくて･･･｣
｢大丈夫よ、ふふっありがとう。はい、もう1回ね。｣
面白そうにクスクスと笑ったAは、もう1回白くて綺麗な手を僕に差し出した。
そっと掴んで、さっきよりきゅっと力を込めると、Aは満足そうに笑ってくれた。
今日のAはすごく可愛い。
今日出かけることを話したら、メイおばさんがAに似合いそうな服を何枚か買ってきたらしい。
彼女はその中から、白のTシャツをデニムにイン。
赤いショルダーバッグそれから赤いスニーカーにしたらしい。
赤毛を上の方でお団子にまとめてて、何本か落ちてきてる髪までも可愛く見える。
｢どうかした？｣
｢え、あ･･･その。可愛いな･･･って。｣
｢ありがとう。嬉しい｣
首を傾げて笑うAも･･･って僕変態みたい！
もうもうもう！しっかりしろ、ピーター！！
何とも返せなくて、恥ずかしさから早歩きになったのか、｢きゃあっ｣って声と腕を引っ張られる感覚で後ろを振り返った。
と同時にAが僕の胸に飛び込んできた。
｢え！？おっと！！｣
｢ご、ごめんなさいピーター。急に早くなったから･･･｣
｢そっか、ごめん。だよね、あの、本当、気をつけるよ。足は平気？｣
｢うん、ありがとう。大丈夫痛くないわ、･･･その、･･･もう抱きしめなくて平気よ？｣
気が付いたらAをしっかり抱きしめてたようで、上目遣いに僕を見て顔を赤らめるAに、僕まで顔が赤くなる。
慌てて抱きとめる手を離して、少しだけ距離を取った。
｢手、繋いでくれる？｣
｢も、もちろんだよ。｣
今度はちゃんとぎゅうって手のひらを合わせた。
･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 359人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ayame(プロフ) - ピさん» やっぱりです！笑 ですが何やら複雑そうな予感です！ (2019年7月28日 7時) (
レス) id: a7af91969e (このIDを非表示/違反報告)
ピ - やっぱり！ナター○○だったーー！！ネッド大丈夫か！？ (2019年7月27日 19時) (レス) id: 85930732e3 (このIDを非表示/違反報告)
ayame(プロフ) - 岡Ｐさん» ありがとうございます！初々しさが出せていたら嬉しいです。なかなかまとめて更新できませんが、1話ずつでも頑張ります！ (2019年7月26日 21時) (レス) id: a7af91969e (このIDを非表示/違反報告)
ayame(プロフ) - ピリルさん» 初めまして！そうですよね、ロマノフと名乗っている以上そう思いますよね！続きをぜひお楽しみして頂けたら嬉しいです！ (2019年7月26日 21時) (レス) id: a7af91969e (このIDを非表示/違反報告)
岡Ｐ(プロフ) - とても面白かったです。初々しいピーターが、可愛くて続きが楽しみです。更新心待ちにしています。 (2019年7月26日 0時) (携帯から) (レス) id: 8256504f4a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ayame | 作成日時：2019年6月24日 7時
