黄色い光

6:怖くない ページ8

ミナト激怒事件から早２週間
女子からの熱い眼差しを受けてそろそろ慣れ始めてきた今日この頃
春の日差しは日に日に弱まり、初夏のにおいが漂いつつある木ノ葉隠れの里
私はとゆうと、只今波風ミナトくんと体術の演習中です

「「ミナトくーん頑張ってー！！」」

黄色い声が煩いよ
キメようとすれば暴言の嵐ですよ
えぇ、勿論ミナトには聞こえないようにね
演習になんねぇー

「A！頑張るってばねぇッツ！！」

クシナぐらいだよ
私を応援してくれるの…
クシナとはアレ以来すっかり仲良しになった
余所者同士だから
って少なからず言ってくるヤツはいる
確かにそうかも知れないが、クシナは根本的に好きだ
真っ直ぐで、無邪気で
一緒にいて飽きないんだ
あと、クシナのあだ名が変わりました

"赤い血潮のハバネロ"

挑んでくるバカを半殺しにし、揺れる赤毛から由来したらしい
うん、名付け親いいセンスしてるよ
今んとこ百戦錬磨のハバネロ様ですよ

ドッ！

「！」
「考え事だなんて酷いなぁ」
ハッ！「余裕だからね」

ちょっと今のは危なかったよ
正直、
集中集中…
勢いよくこっちに向かってくる右足ストレートを左腕で受け止め、そのまま右手で右足を掴み投げた
ちょっとミナトの体勢が揺らめいたが普通に持ちこたえた
流石！
じゃなきゃ困る
お返しとばかりに私も右足ストレートをミナトの腹に決めようとしたが、ガードされた
さっきからこの繰り返し

「…ミナト…なんか強くなった？」

気のせいかな？
と思っていたが、やたら今日は決まらない
いつもなら特の前に私の勝利で終わっているハズなのに

「ん〜実感はないけどAの動きにはついていけるようにはなったよ！」

満足そうな笑顔だことで、
軽く苦笑いをした

「んじゃこっから本気でいくべ！」
「ん！負けな……ッ！？」

ザザッ

「………ギリギリかわされたかぁ」
「ぃ、いきなりだね」
「"今から腹蹴るんで"… なんて一々言わないしょ？」

手応えはあったと思ったんだけどなぁ
ミナトの瞬発力には敵わないよ

「！？」
「？A…？」
「き、今日はもう帰るねっ！…じゃ」
「らしくないね、負けず嫌いのAなのに」

ミナトの挑発も今はのらない
嫌、のれない
流石に今までとは明らかに違う殺気を感じる
恐る恐る後ろを振り向けば
振り向いた事を後悔した
うん、ヤバイね
ダッシュでその場から逃げた
私を呼ぶミナトとクシナの声が聞こえるが無視
女って本当に怖い
でも

君と一緒なら怖くないよ？

きっと、ね

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