7 ページ7
・
｢…A｣
いつもよりずっと甘ったるい声で名前を呼ばれる。
むず痒くて、どうにかなりそうだ。
｢お前のことが好きなのはホントだし、いずれは言おうと思ってた。でもお前の元カレとか好きになる芸能人とか推しキャラとか全員俺と真反対じゃん？｣
｢そ、その話？今？てかそうかな！？｣
｢そうだよ自覚もて鈍感女。…はぁ、だから、傑にも言われたけど、俺は俺で自分を矯正しようと思ったわけ｣
｢それは…素晴らしい試みですね？｣
｢うっせぇ他人事みてーに言いやがって。そう思ってた矢先にお前が高専退学するっつーから焦ったんだよ｣
抱きしめられているから、五条の顔は見えない。ただ、心臓の音がすごいことだけは分かる。多分この大きな音は私じゃない。
｢なぁ、まだ高専にいろよ。行くなよどこにも｣
｢…五条｣
ひとまずどんな顔をしているのか知りたくて、ゆっくりと離れる。五条は少し頬を赤く染めて、ただ、滅多に見ない真面目な顔をして私を見ていた。
そうか、五条は本気なんだ。知らなかった。マジで鈍感なのは私なのかな。
まぁひとまず、自分の気持ちはよく分かりませんが。
｢あの、高専辞めんのはもう確定だから、無理｣
｢…はぁ？｣
｢熱烈に口説いてくれたのは嬉しいんだけども、私元々大学は行きたかったんだよね。これから1年勉強して、五条が卒業した頃に私は大学入学って感じかな。だから五条のために高専は残れない！以上！｣
｢はぁ！？｣
まさかここまで言って振られるとは思っていなかったのが、五条は口をあんぐり開けて、呆気にとられている。
そう、自分がどう思おうが、五条がどう思おうが、進路はもう決めたのだ。呪術師なんてやってらんないよ全く。あんなポンポン人が死ぬ職業なんてごめんだね。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 189人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
作者(プロフ) - ぽぽさん» ありがとうございます🙇♀️今作品でもコメント頂けてとても光栄です😭これからも応援よろしくお願いします☺️ (3月18日 18時) (
レス) id: b4c68f46cc (このIDを非表示/違反報告)
作者(プロフ) - メルさん» ありがとうございます🥰まじで嬉しいです✨️せっかくだから書いてみようかなと思えました！☺️ (3月18日 18時) (レス) id: b4c68f46cc (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽ(プロフ) - めんどくさいおじさんの五条先生も好きですが、メンヘラの五条さんも思わず想像ができてしまいました笑テンポの良い作品で本当に作者様の作品はハズレがなくて私の心にどんぴしゃです; ; (3月10日 22時) (レス) @page4 id: cce9129f81 (このIDを非表示/違反報告)
メル(プロフ) - まじで好きっす (3月8日 18時) (レス) id: 1ce28027fc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：作者 | 作成日時：2024年2月29日 1時
