階級・甲の癸さん拾伍

659話 ページ15

『へー、少しは強いんだ。』



雪希「…あんたは化物並みの強さね。」



刀を交えながらそんな会話をする。



伊達に色々言ってるわけでもなく、やはり少しくらいは強いらしい。



…馬鹿にしていたかもしれないね、鬼なんだから少しは身体能力も上がるわけだし…弱いわけがないのに。



雪希「あんた本当にムカつく、努力もせず愛されてるだけじゃなく、努力もせず力があるなんて。」



『ずっと思ってたけどさぁ、何で僕は君の中で努力もせずな人なの？

僕が努力してるかしてないかなんて君が決められることでもないし、分かることでもなくない？』



雪希「分かるから言ってる、あなたはいつでも…何もしてないのに愛されてて…」



『空の学校に居る人には絶対に何かある…そんなのも分からない？』



そう言って攻撃を仕掛ける。



雪希「だから何？じゃあ自分は可哀想って言いたいの？

努力じゃないじゃんそんなの、ただただ勝手に被害者ぶってるだけでしょ？

そんなことで、あなたが努力してきた証明になんてならない！！」



『そうだねならないよ、僕はきっと其処までの努力はしてなかったんだろう。

でも、全くしなかったわけではないんだよ…それは分かってくれないかな？』



全くしてない、とは言わないで。



あの人に愛されたくて…色々してきたんだ。



それを全て…なかったことにはしないで。



僕はいつだって…ただ、あの人に愛されたくて…



雪希「知るわけ、ないでしょ…！！」



…そっか。

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