雨柱の癸さん肆

164話 ページ27

『僕は、しのぶさんの姉の仇である童磨さんと仲が良いから…分からなかったんですよ？』



胡蝶「…分からなかった？」



『姉ぶって良いのか…妹と、言っていいのか。

きっとしのぶさんにとって、良くないことをしていて…だからこそ、良いのか分からなかった。

…でも、もし…しのぶさんがそれで良いと言うのなら…僕は、しのぶさんの姉でありたい』



しのぶさんと顔を見合わせ、にこりと笑う。



『妹になってくれる？しのぶ』



胡蝶「っ…ええ、勿論…A姉さん」



そう笑ってくれるしのぶさん…しのぶの目には、多少涙が溜まっていて。



喜んでくれているのかな…そう思うと、何だか嬉しくなる。



『可愛い妹が出来て嬉しいな。累とも仲良くしてあげてね？』



胡蝶「累くんは良い子ですからね、仲良く出来ると思います」



そう言ったしのぶは、私の手を握った。



甘えているのかな…そう思うと、自然と笑顔になることが出来る。



胡蝶「…実は、甘露寺さんにも嫉妬してたんです」



『蜜璃に？』



胡蝶「はい。…呼び捨てしていて…羨ましいな、って思って…。

私の方が先にA姉さんのこと分かったし、味方したのに…なんて、醜いですね」



…しのぶは、それを醜いと言う。



でも…



『何それ可愛いんだけど僕の妹天使過ぎない？可愛いね嫁にはやれないや』



胡蝶「行くつもりもありませんよ、私はA姉さん一筋ですから…なんて」



悪戯っ子のように、少しだけ舌を出して笑うしのぶ。



そんなしのぶが可愛くて、思わず笑みが零れたのだった。

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