階級・甲の癸さん拾弐

511話 ページ3

ガタガタガタッ



あの後無理矢理部屋に戻され、仕方なくベッドに座りながら本を読んでいると、そんな大きな音が聞こえてくる。



音のした方を見ると…柱様方が集合していて。



みんな一瞬(？)何も言わずに動きを止める。



…いや一瞬どころの問題じゃないわ。



時間が止まったんじゃないかレベルでめちゃくちゃ止まってるわ。



あ、累も居るけどみんな止まってるわ。



だるまさんが転んだやってるみたいで面白くなってきた。



僕が目を逸らせば動き始めるかな。



そんな馬鹿なことを考えていたら…ゆっくりとした足取りで、蛇さんが近付いてくる。



『ひえっ、ちょっと待ってくださいな、僕はこう見えてまだ起きたばかりでして、だからお説教とかそう言うのは後にして欲しいと言いますか何と言いますか、おうちゃん寝かせてるからおうちゃんと感動の再会(真顔)を果たした後にして欲しいんですお願いします。』



必死に言い訳(？)をするものの、動きを止めることなく静かに近付いてくる。



何だろう、やばい気しかしないんだけど、これ色々詰んだか？？



伊黒「……………癸。」



『そのっ、ほんとに待って欲しいんですごめんなさい反省はしてますけど後悔はしてなくてっ』



他の柱様方も何「御愁傷様です。」みたいに悟り開いた顔してんの！？



ねえ助けてお願い！？



…そう考えていたその時、蛇さんが手を伸ばしてくる。



『っ…』



…殴られるか頭を掴まれるか…そう思っていたのに、そんな衝撃は来ることはなく。



その代わりに…僕は、あたたかい何かに包まれた。

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