階級・甲の癸さん捌

367話　桜花side ページ48

桜花「…癸さん。」



…気付かないふりをしていたけど、本当は気付いてた。



あの人が、最後部屋を出る時…凄く悲しそうな空気を出したこと。



まるで、一人になるのを恐れるような…何かを悔やんでいるような…そんな味がした。



辛くて悲しくて…助けてあげたい、って思った。



私はここに来るまで、あの人に何回も助けられた。



何でか分からないけど…ずっと私の傍に居てくれたような感覚さえする。



初対面のときも助けてくれて…那田蜘蛛山でも助けてくれて…。



恩返し出来ないのは、絶対に嫌なの。



桜花「…癸さん、私があなたを助けます。」



私を、炭治郎を、禰豆子を助けて…守ってくれた。



桜花「そんなあなたを…私に、守らせてくれませんか。」



生意気な願いなのは知っている。



助けられるかわからない。



守るほど弱くない。



…それでも…今にも壊れそうなあの人を、放っておきたくないって思ったの。



私はあなたを…救いたい。









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“おうちゃん、大好き！”









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守り続けたかったのに、無理だった、あなたの分も。









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桜花「…え、」



…今、浮かんだの…何？



…忘れてはいけないことを忘れてる…そんな気がする。



桜花「…記憶…取り戻さないとな…。」



…思いだしたい、って、今…強く、思った。

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