階級・甲の癸さん捌

324話 ページ5

雪希「何で…？」



悔しそうに僕を見つめてくる。



雪希「鬼を守るような…そんな人が、何であの人に…あの人達に…！！」



…嫉妬ですかね。



『知りませんよ、僕だって聞きたい…』



雪希「鬼なんてただの化物…殺すべき対象でしかない！！

生きている価値も何もない…ただ殺すだけ、それなのに…！！」



…あﾞ？



雪希「その蜘蛛の鬼もそう！！そいつも殺さないと…鬼は殺さないと！！

それなのに何であなたは平気で一緒に居るの…？

理解が出来ない…そんなあなたが先輩なんて…そんなの思いたくない！！」



『黙れよ。』



そう言って首に刀を突きつける。



雪希「…！！はや、」



『…あのさぁ…ただの化物とか生きている価値もないとか…何巫山戯たこと抜かしてんの？』



…鬼は辛く悲しい生き物だ。



『弟に突き落とされ、復讐するためにも鬼になった者がいた。

でもそれはその者の思い込み…弟は兄を救うために事を成しただけだった。

最後それを悔やみ…謝りながら消えていった鬼がいた。』



下弦の陸…僕が初めて倒した十二鬼月。



『誰にも認められず“埋め合わせ”にしかなれなかった人がいた。

その人を唯一認めてくれた人は裏切られ死んで、人を信じないと決めた。

最後にはやって来たことを悔い、泣きながら消えていった鬼もいた。』



今日倒した下弦の伍…彼はそうなんだ。



『人と鬼は紙一重の存在…それを…悔いて消えていった者を…侮辱するな…！！』



絶対に…許さない…！！

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