47話☆ ページ49
『斎藤さん。』
屯所に戻って来て最初に会ったのは斎藤さんだった。
斎藤「どうした、天馬。」
『甘味屋へ行って参りました、土産に団子を買ってきたので皆様で食べてください。』
斎藤「…そうか、わざわざすまないな。」
『いえ。』
それだけ言って行ってしまいそうな千桜さんの代わりに言う。
「千桜さん、みんな食べれないのがないか、ってお饅頭とお団子で悩んだ結果、みんなが食べているのを見たことがあるらしいお団子を選んだんですよっ」
斎藤「…そうなのか?」
『葵さん、』
「ふふ、だからちゃんとみんなで、大事に食べてくださいね!」
そう言って千桜さんの隣に行く。
『…余計なこと言わないでくださいよ…。』
「千桜さんが勘違いされたままなのを見るのは嫌なのでーっ」
『勘違いも何もないというのに…。』
もっと素直になれば良いと思う。
そうしたら…きっと、溶け込むことが出来る。
これは何も千桜さんだけに言っているわけじゃない…他の人達みんなもだ。
戦うことが当然、戦って生きてきた…そんな彼らだからこそ、不器用なのかもしれない。
それなら、それをお互いが伝え合い、分かり合うことが出来る。
そんな状況を作ってあげるのが、きっと私の仕事だから。
「…大丈夫、」
私は今までもそれをしてきた。
いつもは“みんな”でやってきたことだけど…今度は、私一人で。
それでも何も心配はないよ…。
イヤリングに触れ、微笑む。
…私なら、出来る。
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