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43話☆ ページ45

『さて、土産でも持ってそろそろ帰りますか。』



「いや待ってください!?何で爆弾置いて普通に帰ろうとしてるんですか!?」



『これは幹部しか知らない秘密なので他言無用で。』



「みんな知ってるんですね!?ていうかそれを何で私に…」



『貴女はもう他人ではないので。』



…ちゃんとは言ってくれないけどそれは…多分、仲間として認めてくれたということで…。



「…嬉しいです。」



『何がでしょうか。』



多分、不器用なんだなぁ。



「ふふっ、千桜さんっ!」



『…え、』



「って、呼んでも良いですか?」



そう聞くと、何処か恥ずかしそうに私を見る。



『…良いですよ、葵さん。』



…名前で、呼んでくれた。



「嬉しい!」



『…何だかこうしていると、妹が出来たような感覚になりますね。』



「私長女だったから、お兄ちゃん…お姉ちゃんが出来たみたいで嬉しいです!」



『さっきから嬉しい嬉しい言い過ぎでは?』



「だって本当に嬉しいから!」



そう言うと、包帯で巻かれた手で私を撫でてくれる。



『…貴女がそう言うと、僕まで嬉しくなるのは何故でしょうね。』



…この人は、私を喜ばせる天才だ。



そう思いながら、天馬さん…千桜さんの手に擦り寄る。



『っ…!』



すると突然離れていく。



「…え、」



『駄目ですね、やっぱり…僕は汚れているから…。』



…そっか、この人は人を斬っているから。



でも、



「汚くなんて、ないから。」



…この人は、汚くなんて…ない。

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作者名:心月美玲 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年8月29日 23時

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