37話☆ ページ39
土方「お前、さっきの山南さんの言葉聞いてたか?」
「信じられていない人とご飯を食べるのは窮屈で苦しいです。
いつ何が起こるか、怒号を飛ばされるか、食べられなくなるか、殴られてしまうか、そんなことを考えてしまうと体が食べ物を拒否してしまうこともあります。」
それを、私はよく“知っている”。
「でも、一人で食べる方が…独りで居る方が、ずっと虚しくて悲しい。」
そう言いながら、天馬さんの目を見る。
そのままお互い黙り込みながら、目を見つめ合う。
『……………ふ、』
え…今、一瞬だけだけど…わら、った…?
『貴女は僕を超える頑固者ですね。』
「頑固者はよく言われます。」←
『貴女の隣でなら。』
その言葉に、周りの人達が驚いたような顔をする。
原田「ど、どんな心境の変化だよ…」
『文句あるのですか。』
原田「そうじゃねぇけど…お前が一緒に食いたがることとかなかったしさ。」
…うん、やっぱり、そうか。
今のではっきり分かったことがある。
『…別に良いでしょう。』
そう言って私の隣にお盆を置く天馬さん。
「ありがとうございますっ!」
『礼を言われるようなことはしていませんよ。』
「それでも…私はとても、嬉しかったので。」
素直に言えば、少し気恥ずかしいと言いたげに瞳を揺らす。
…何だろう…少しずつだけど、この人のことが分かってきたような気がしたな…。
3人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ