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「あー、楽しかったな」





そう言って笑う彼。






「そうだね」






いつものように返せてたつもりでいた。







「…愛してる」







急に痛いくらい抱きしめてきたあなたの体は







すごく温かかった。







「…急に何?」







必死に笑う。







「お前が消えそうだったから」







「…消え…ないよ」







「消えたら許さねえよ」







「…探すって言ったじゃん」







「探すけど許さねえ」







「…苦しいよ」







“私の心が”







「ごめん、強くしすぎたな」







そう言って離れる君。







「ありがとう。元気でた」






“嘘”






「さ、少しだけゆっくりするか」






そう言って寝そべる彼を私は座ったまま眺めた。






しばらく無言の彼。






「シルク?考え事?」





話しかけないとつらかった。






「ちげーよ」





「あー、私の事考えてたの?顔赤いよー」





明るく振舞った。これでいいんだ。






「アホか」





「ふふ。あ、明日の撮影は何時から?カメラ持つよ」






最後に叶わない約束をしてしまったことを許してください。






「あー、そーだな、朝の7時にいつものとこ待ち合わせだな」






「わかった。超画質良く撮ってあげるよ。シルクの毛穴見えるくらいに」






「やめろ、気持ち悪い」






出来たらいいのに。







「じゃあ明日ね」






耐えられなくなって帰ることにした。







これでいいの。








「おう、またな」








玄関で靴を履く。








涙が溢れそうだった。








その時肩を叩かれ振り向くと







そっと優しいキスをされた。








「また明日な」









これ以上叶わない約束をしたくなかったから







最後は決して変わらない私の気持ちをあなたに。








「うん、大好きだよ。諒」







ドアを開け精一杯の笑顔で手を振り帰る。





ドアが完全に閉まる。






いつもよりゆっくり部屋から遠ざかる。






今は無心にならなければ。







まだ泣いちゃダメだ。

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設定タグ:Fischer's , シルクロード , フィッシャーズ   
作品ジャンル:恋愛
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花梨 - 楽しみにしてます!! (2018年11月6日 18時) (レス) id: e6157cc2f4 (このIDを非表示/違反報告)
橘雫(プロフ) - 花梨さん» ありがとうございます!色々と修正してもっとキュンキュンして頂けるような小説にしていきますので、お楽しみに! (2018年10月6日 22時) (レス) id: 1c9cad39f6 (このIDを非表示/違反報告)
花梨 - 最高すぎです!文才が神すぎです。終始きゅんきゅんでした。こういう感じのガンガン書いてください!めっちゃよみます!フィッシャーズ最高!!! (2018年10月2日 21時) (レス) id: e4eb9fe5a5 (このIDを非表示/違反報告)
橘雫(プロフ) - 書き直しを始めました。急ピッチで進めているため、誤字等あるかもしれません。その場合はご指定いただけると嬉しいです。 (2018年9月25日 15時) (レス) id: 1c9cad39f6 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - すごいですね!最初からこういうのにしようって考えてたんですね!?素晴らしい!! (2018年1月1日 22時) (レス) id: 2870e13e2c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:橘雫 | 作成日時:2017年4月17日 19時

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