ラムネ【Fischer's】

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空港に着き






用事があるからと、諒達と別れ事務所に向かった。






私は会議室のようなところに通された。







「さっそくですが、シルクロードに彼女疑惑がちらほら出てきていまして






それがあなたがカメラマンを担当してからその数は急増しているんですが







何かご存知ないですか？」







「…シルクロードとお付き合いさせていただいています」







「…そうですか。






シルクロードとお付き合いなさることに関しては特に規制をしたくはありませんが」







「…カメラマンとして働いていることが問題ですか？」







「…いえ」







事務所側は否定はしたものの、きっとそういうことだと思う。







「…私どもは正直これからFischer'sをどんどんと売り出していきたいというのがございまして」







「…リーダーであるシルクロードが恋愛にうつつを抜かして動画の質が落ちるのは困る、ということですか」






「…ご理解いただけて光栄です」






「…わかりました。






シルクロードがお世話になっている事務所さんには迷惑をおかけしたくないので







別れさせていただきます」







自分でも驚くほどスラスラと言葉が出てきた。







事務所側は信じられないのか言葉を発しなかった。







「…ですがお願いがあります」







「はい」







「…あと一回。あと一回だけカメラマンをさせてください。







それを撮り終えたらすぐにシルクロードの連絡先も消します…だから…」







「では、撮影終了後事務所に確認のため来ていただくということでよろしいですか」







「…はい」







事務所を出た瞬間、全てが崩れるように私は泣いた。






終わりは早かった。






後悔しか出てこなかった。






諒、勝手に決めてしまった私をどうか許してください。

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