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いい時間になったということで騒がしかった飲み会はお開きになった。ンダホくんとぺけたんはマサイくんの家で深く眠ってしまった。
モトキくんは終電を逃し、マサイくんが気を遣い全員マサイくんの家で寝ることとなった。
もちろん私と諒は諒の家で寝ることに。
「お邪魔します」
家に足を踏み入れる。床には物が散乱していた。
「緊張してんの?」
「そりゃそうだよ。家来たの初めてだもん」
私とシルクは付き合ってからお互いの家に行くことはしなかった。忙しかったのもあるけれど流石に5年の付き合いの中で一度も行ったことがないというのはまずいなとも思い始めていた。
だから恥ずかしいことに、シたことは一度もない。
家でのシルクがどんな感じなのかを私は全く知らない。彼氏感溢れるシルクを体験したことがない。彼女としてどうかとは思うが。
「風呂、先入っていいよ」
「あ、うん…」
「寝るとき俺の服着る?」
「うん、ありがとう」
優しさが嬉しかったが、気まずく感じた私はお風呂場に逃げ込む事にした。お泊まりをするカップルというのは何をするものなのだろうか、と答えの無い問いを必死に考えながら、シャワーを浴びシルクの匂いがする服に着替えた。
「シルク〜あがったよー」
呼びかけてみても返事がない。こっそり近付いてみると、彼はイヤホンをしてパソコンに向かっているようだった。
そうか、編集か。動画投稿してるって話、本当だったんだ。関心しながら作業をしている様子を暫く眺めていたが、お風呂が冷めてしまってはいけないと肩を叩く。
「うわ、あがったの?」
イヤホンを外しこちらを見た諒は呆れた顔をして、の癖に口角は思い切り上がっていた。
「お前さー、普通彼氏のパーカーとか来たらダボダボになって可愛いんだけど、なんでちょっとフィットしてる感じなの」
「知らないよ、シルクが小さいのが悪い」
わざと喧嘩を売ると、この野郎、と私を押し倒し体をくすぐってくる。これじゃあ中学の時と何も変わらないじゃないか。大人になったというのに。
「いや、ちょっと、ねえ!待って、くすぐったい!」
「参ったかー」
「参った!参ったから!」
私が降参をすると、シルクはくすぐるのをやめ
「寝よっか。俺眠い」
とあくびをしながら言った。
「編集は?」
「終わったから今からAタイム」
「なにそれ、変なの」
「良いから来いよ」
訳もわからず私はそれに付いて行く他なかった。
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花梨 - 楽しみにしてます!! (2018年11月6日 18時) (レス) id: e6157cc2f4 (このIDを非表示/違反報告)
橘雫(プロフ) - 花梨さん» ありがとうございます!色々と修正してもっとキュンキュンして頂けるような小説にしていきますので、お楽しみに! (2018年10月6日 22時) (レス) id: 1c9cad39f6 (このIDを非表示/違反報告)
花梨 - 最高すぎです!文才が神すぎです。終始きゅんきゅんでした。こういう感じのガンガン書いてください!めっちゃよみます!フィッシャーズ最高!!! (2018年10月2日 21時) (レス) id: e4eb9fe5a5 (このIDを非表示/違反報告)
橘雫(プロフ) - 書き直しを始めました。急ピッチで進めているため、誤字等あるかもしれません。その場合はご指定いただけると嬉しいです。 (2018年9月25日 15時) (レス) id: 1c9cad39f6 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - すごいですね!最初からこういうのにしようって考えてたんですね!?素晴らしい!! (2018年1月1日 22時) (レス) id: 2870e13e2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:橘雫 | 作成日時:2017年4月17日 19時