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2年生になって文理選択の関係からクラスが別れた私たちは、放課後に4人でひとつの教室に集まるのが恒例になっていた。
向かい合うようにしてくっつけた机には各々ノートやテキストを広げている。
集まってすぐは真面目に勉強とかをしていてもそのうちに喋りだしてしまうのがいつものパターンで、今回もそうだった。
「喉乾いたぁー」
その始まりはだいたい紬だ。
「ねぇ、買い出しじゃんけんしよ！」
「紬！」
彼女の言葉に「やだやだ！」と拒否するのは私だけで、「いいじゃん」って男二人は乗り気。
「どうせ負けるの私だもん！」
「今日は勝つかもよ(笑)」
「その割には紬さん、バカにした顔で笑ってるけどね」
このメンバーでじゃんけんをして私が勝ったのは片手で収まる程度。
いつもいつも負けるのは私で、こういう面倒くさい時の勝率はとくに悪かった。
そして今回も案の定……
「私、ミルクティー！」
「レモンティー」
「俺はココアね」
負けたのは私。
「はいはい、ミルクティーにレモンティーにココアね。承知しましたー！」
「いってらっしゃーい」って明るい紬の声を聞きながら教室を出た。
教室から自販機の置いてある場所まではそこそこ距離がある。
2月も終わりで春が近づいていると言っても暖房の効いていない廊下は寒くて、カーディガンの袖を伸ばすと指先を隠した。
ミルクティー、レモンティー、ココア…と。
間違えないように頭の中で繰り返しながらお金を入れてボタンを押す。
「Aせーんぱい！」
3本買い終わったところで声を掛けられて振り向くと、ジャージ姿の浮所くんが外へと続く扉からひょっこり顔を出していた。
「すごい量ですね、それ」と私の手元を指さした彼は、靴下のまま上がって来ると隣に並ぶ。
「じゃんけん負けちゃって。それでパシリ」
「うわー、大変(笑)作間先輩ですか？」
「うん、そう。ほんとひどいよね、みんな」
3本持つには両手じゃ足りなくて、抱きかかえるように持ち替えていると自販機からガコンって音が聞こえる。
「じゃあ、頑張ってる先輩にこれあげます」
はい、って差し出されたのはココア。
「先輩甘いの好きですよね？」
「好きだけど…でも」
受け取るのを渋っていたら「熱っ！もう無理っ！」って叫んだ浮所くんが、ぐいっと私にそれを押し付けるから
「ありがとう」と言ってそれを受け取った。
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の - 凄く感動しました。作ちゃんがもう作ちゃんで場面が想像できました。瑞稀くんが結婚するって言った時は泣いてしまいました。片想いって本当にしんどいです。作ちゃん最後は報われてよかったです。久しぶりにこんな胸が痛くなりました。 (2021年8月31日 23時) (
レス) id: 2c22fbd9c9 (このIDを非表示/違反報告)
asumin110(プロフ) - これの作間くんがあったら是非読みたいです！！！ (2021年3月6日 8時) (レス) id: 310d1e6e98 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇりー - 今更感想すみません。最後めちゃめちゃ泣いたし井上担なのにすごく幸せな気持ちになりました……読んでよかったです！！ (2019年12月4日 1時) (レス) id: 533c7622c3 (このIDを非表示/違反報告)
じ ゅ き * - 呼んでて涙出てきちゃいました!! これからも作品楽しみにしてますっ (2019年10月24日 19時) (レス) id: 3ad5a89366 (このIDを非表示/違反報告)
ニャニャコ - めちゃくちゃ良かった！ (2019年8月24日 15時) (レス) id: 6881cb58fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りゅりゅ
| 作者ホームページ：https://twitter.com/ryuryu_movie?s=09
作成日時：2018年11月19日 11時
