この恋の終わらせ方。〔完結〕

2 ページ2

.


＿＿高校1年生 4月



中学卒業と同時に父親の仕事の都合で引っ越して、進学したのは知らない土地の知らない高校だった。





当たり前だけど、ここには仲の良かった友人達なんていない。
どこを見ても知らない顔ばかりの教室だ。

きっと元から友人だったんだろう。
教室は既にいくつかのグループができていて、楽しそうな声が響いていた。







……完全に出遅れた。



もともと私が住んでいたのは小さな田舎町で、生徒数も少なかったからクラスは1学年2つずつ。
小学校も中学校もガラッと人が変わることなんてなくて、みんな知った仲だから新しい友達を作るなんて経験はない。

だからもう今さら友達の作り方なんてわからなかった。









……もういいや。友達なんてできなくても。





きっと、そう開き直ったことが問題だったんだろう。







だって、入学してから一週間。
友達どころか誰ともまともに会話をしていない。


出席番号順で隣の席になった男の子はなんだかいつも仏頂面で話すことはできないし、周りの女の子達も既にグループを組んでいた。


……こんな状況で誰と話せと言うんだろう。









このまま何もなくこの1年を終えると思っていた。

それはやっぱり寂しかったけど、どうにもならない状況にそれでもいいと強がっていた。









そんな私の学校生活に転機が訪れたのは、4月も終わりに差し掛かった頃だ＿＿






.

3→←1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す