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指定されたマンションについて、インターホンを鳴らすと通話状態にはならずに自動ドアが開いた。
入れって事だよね。
エレベーターに乗り、部屋について再度インターホンを押す。
「んだテメェ、ここがどこだかわかってんのか！？」
ドアが開いて中から出てきたのは厳つい見た目の、いかにもな人。
『あ、…えっと……。』
その人の勢いに驚いて固まっていると、彼の背後から知っている声が聞こえた。
「黙れ、俺の客だ。」
部下だろうか。
その声に彼は一礼すると、部屋に通された。
「こないだぶりだね、元気してたー？」
なんて笑顔を向けてくれる蘭さんだけど、少し痩せて目のクマがひどい。
きっと彼も竜胆さんが心配なんだ。
『蘭さんこそ、無理してませんか？大丈夫ですか？』
一瞬、私の言葉に面食らって驚いた顔をした蘭さんだったが、すぐに元の顔に戻った。
「だいじょーぶ、Aちゃんは優しーね。」
こっちにおいで、という蘭さんに連れられて奥の部屋に入ると、そこには竜胆さんがいた。
沢山の機械に繋がれて、体の至る所に包帯を巻かれている。
嘘でしょ……？何で、こんな……。
なんで竜胆さんがこんな目に……。
じわじわと滲んでいく視界の中で、一歩一歩竜胆さんに近付く。
『竜胆さん…、竜胆さん……！！』
声をかけても返事はないし、その瞳がこちらを見ることはない。
それでも名前を呼ばすにはいられなかった。
『私、竜胆さんが……好き…。悪い事してる竜胆さんも、…っ好き……！』
竜胆さんが横たわるベッドに縋り付いて泣く私の背を、蘭さんがさすってくれる。
やっと自分の気持ちに気付けたのに。
どんな竜胆さんでも好きだと、伝えるはずだったのに。
止めどない竜胆さんへの想いは、涙に変わって溢れた。
『お願い……目を、開けて…っ…。』
現実は残酷だ。
部屋には規則的な機械音と竜胆さんの浅い呼吸音、私の啜り泣く音が響いていた。
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名無し(プロフ) - 葉月さん» 葉月さんコメントありがとうございます！なんと嬉しいお言葉😭私も灰谷兄弟が好きで、次の新作は蘭ちゃんで書こうかなと思ってます…！最後までお付き合いいただき、ありがとうございました🙇♀️ (2021年10月21日 11時) (
レス) id: c598b64059 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - まよさん» まよさんコメントありがとうございます！最後までお付き合いいただきありがとうございました！続編は検討中ですが、この先のお話も書きたいものがありまして、番外編を書こうかと思っております🙇♀️ (2021年10月21日 11時) (レス) id: c598b64059 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - 鮭るすさん» 鮭るすさんコメントありがとうございます！作者も竜胆さんと別れる時は泣きながら書きましたw自分の作品で泣いてくださる方が居るというとは幸せです😭最後までお付き合いいただきありがとうございました！新作ができたらまたぜひ🙇♀️ (2021年10月21日 10時) (レス) id: c598b64059 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - I’m海月さん» I’m海月さんコメントありがとうございます！涙して下さったんですね…作者として本当に嬉しいです😭お気遣いありがとうございます！最後までお付き合いいただきありがとうございました🙇♀️ (2021年10月21日 10時) (レス) id: c598b64059 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - ATR214YSさん» ATR214YSさんコメントありがとうございます！無事完結いたしました！最高だなんて嬉しいです😭最後までお付き合い頂き、本当にありがとうございました！🙇♀️ (2021年10月21日 10時) (レス) id: c598b64059 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無し | 作成日時：2021年10月13日 12時
