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ダマサレタ。そう。彼はしおらしい姿を演じて私の同情を誘い、怒りを鎮めさせたのだ。
騙されたのは悔しいけど、何だか今の空気のおかげで怒りは完全に鎮まった。そうなると何故だか込み上げてくる笑い。
数分がたって、だいぶ落ち着くと彼がしみじみ話始めた。
ジ「俺、まともな飯、スゲー久しぶりに食った。」
A『?いつもは何を食べてるの?』
ジ「うーん、適当に酒飲む。気が向いたらなんか食う。」
どうやら、栄養などその他もろもろ考えてなどいないらしい。それは体に悪いと思って何気なく注意した私が悪かった。
注意したら、彼は予想外で、衝撃的なあり得ない発言をした。
ジ「そんなに俺の栄養とか心配するなら、お前がこれから俺の飯作れよ。それから、飯の度に此処に来んのめんどくせぇから、今日からここに住むわ。」
・・・。ナゼニ。
A『ちょい待て。飯作れだとか、此処に住むだとか、私のメリット何にも無いんだけど!』
ジ「あぁ?」
・・・怖い(ブルブル)
めっちゃドスのきいた声であぁ?って言われた!
A『ワカリマシタ。』
ほら、怖すぎてカタコトになっちゃったよ!
まぁ、そんなこんなで彼のご飯を作ることになり、そして一緒に住むことになってしまったのだ・・・。
私の了承を得ると、ジンさんは自分の荷物とかを取りに一旦帰宅。その間私は空き部屋の掃除をせっせとしている訳なのですが、只今の時刻は22時30分を回っている訳です。私は明日も仕事だから早く寝たいため、若干作業が雑。
まぁ、後日本人にやらせればいいよね。
それにしても、本当に一軒家でよかった。今までは、一人で住むには広すぎるし、掃除も大変だったから良かったなんて思った事が無かったんだけど、もしこれがアパートとかだったら空き部屋とかがなくて大変な事になっていたと思う。
私が掃除を終えた頃とジンさんが帰ってきたタイミングはほとんど同時だった。
ジンさんに掃除が終わった事を伝えて、私がお風呂に入ってる間に部屋に荷物とかを運んでもらう事になった。
私はお風呂に入りながら今日を振り返ってみた。
私が一人で暮らすようになってからというもの、なんの変鉄のない生活を送っていたが、今日は怒涛のような日だったなぁ。
あっ、そういえば部屋の構造とかまだ教えてなかった!お風呂出たら教えてあげないと。でも、疲れてるかもだし明日でいっか。
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箱 - ステキな作品を書いてくれてありがとうございます (2023年4月17日 21時) (レス) id: e97eef8072 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユウナン | 作成日時:2018年10月26日 23時