ブラック本丸の刀剣達は女の子に感情を教えてあげたいみたいです。【刀剣乱舞】

感情38 ページ43

？？？side



僕はずっとあの日をさまよっていた。



「……兼さんを兼さんを守れなかった……ッ！」



あのときの僕が目の前にいる。

そういえば…あのとき一日中泣いていたんだっけ



そう思って自分の泣いている姿から目をそらす。


すると世界がぐるぐる回って、
また次の場面へうつる。



「え！？兼さんがドロップしたの？」



そう聞いてすぐに門まで走っていく僕。



「！！兼さんッ！」



あのときの僕は嬉しくて嬉しくて、
つい兼さんに抱きついてしまった。



そしてまた世界がぐるぐる回る。



ここは……



「中傷なんだから兼さんは休んでて！」



「いーや。俺も戦う…」



……ああ。そうだ。ここは



「敵が多すぎる……！」



「これはキツいな…」



兼さんの後ろから太刀が出て来て、
兼さんに切りつけようとしている。



「？！兼さん危ないッ！」



そう叫びあのときの僕は兼さんを庇い、
血だらけになって倒れる。



「！国広……ッ！！」



兼さんは太刀を倒すと、
すぐに僕に駆け寄ってきた……。



「国広…………」


「よかった……兼さんを守れて……」



そして僕は

ぱあんっ


という音とともに折れた。



ここは僕が……堀川国広が折れた出陣場所……。



……



目の前がまた一変して最初に戻る。



また同じ映像が繰り返される……



……兼さん




いきなりパッと明るくなった。




《……このかたなをなおさなきゃ》



そんな声が聞こえて、
眩しい光に包まれる。



そして僕が目を開けると
自分の実体があった。




堀「！……僕…折れたはずなのに」



桜吹雪が晴れると目の前には、
白い髪に赤い瞳をもった、
一見今剣くんにみえるような女の子が
ちょこんと立っていた。

感情39→←感情37

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す