雪の日に拾ったのは犯罪芸術家でした。 Forth

雪解け水7滴 ページ8

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　立て付けの悪い戸を浮かし気味に、ガラガラッと音を立てて開けた。





　「おう。今年も来たな、薫ちゃん達」


　「お久しぶりです。」


　「ひっさしぶりー、大将」



　「変わってねえなあ、坊も」




　シバケンの茶化した声に笑いながら返してくれる坊主頭の店主。




　「改めてすぎるけど、皆名前言ったら？



　大将が知ってんの私だけだろ」



　「会った当初ギャン泣きしてたからでしょ」





　サラリと事実を言う幸大の背をどつく。



　各々自己紹介して、男女に別れ席に着いた。





　「今年は何にするよ？」



　「私、かけうどん」



　「俺カレー！」



　「あ、俺も」



　「僕は、きつねで」



　「私は五目で」



　「じゃあ私は……鴨南蛮で」




　「かけ一、五目一、南蛮一、きつね一。



　あとカレーライスはねえからそこ二人は無しってことで」




　「「カレーうどんお願いします！！」」





　虎太朗とシバケンがハモったのをきっかけにどっと笑いが起き、大将が厨房に消えた。




　一応酔ってはいけないということで、飲み物は女子陣はアイスティー、男子陣はコーラを頼んでる。





　「5年かぁ……ずいぶんと経ったね」




　アリサが懐かしむように哀しげに呟く。








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