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◇百十五、 宿された意思と証 ページ20

視界に映った写真?のようなものを取ってみると、それは男性が映った写真だった。何か、絵を描いてる写真。


『…よく分からないな…』


そう呟いていると、何処からか声が聞こえた。


「…返せ、…ソレを、返せ!!」

『っ!?』


振り返ると、あの絵__から、手が出てきた。

そして伸びたその手は、やがて私の手をつかみ、写真をつかんだ。


『_っ!?』


熱い。掴まれたところの部分が、焼けるように熱かった。


『_転清開花!!』


腰に備えていた大幣を取って、唱える。勘だったけれど、今しかない_そう思ったからだ。

唱えると同時に、大幣が黄色に光り輝く。


「…くっ、あぁぁぁぁぁ!!?」


唸り声が聞こえる。
喉が焼かれたような、男性かも女性かも分からない、そんな声が。


すると、絵がカタカタと揺れ始め、中からまた、人の一部が出てきた。と思ったら、人が出てきた。それも、何人も。

もしかしたら、あの絵に飲み込まれていた人達かもしれない。今は目を閉じ、眠っているようだ。


『_怪なる物、我神使を従える洟宮の契約の元、封印されよ_!』


昨日のうちに、廊下の至る所に貼っていた札が絵に集まっていく。


「…っ!! く、たた、完成させてやりたかった、だけなのに…!!」


最後に聞こえたその言葉は、どういう意味なのか、理解するのに少しの時間がかかった。

そして、やがて光と共に消えていくソレは、最後に炎が見えた。



たぶん、絵の主_芸術家は何か火事にあったのだろう。

それで唯一手元にあったあの絵…それが、完成させたかった絵。


熱く焼けるような感覚があったのも、その過去の所為だろう。

何故絵の主は亡くなったのかは、病気だかなんだかよく分からないが、その時でもまだ、余程この絵を完成させたかったのかもしれない。

そうでないと、ただの絵にあんなことが出来るはずもないのだから。









…無事に終わって良かったぁ…。

◇百十六、 あの夜の月→←◇百十四、 何かあれば



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ふぃりあ(プロフ) - 獣兎さん» ありがとうございます!! そう言ってもらえてとても嬉しいです。´∀`*)b (2017年10月8日 17時) (レス) id: 260828f0b6 (このIDを非表示/違反報告)
獣兎 - 今迄この作品を読ませていただいてました。とても面白かったです! 更新を楽しみにしておりました*(^_^)* (2017年10月8日 16時) (レス) id: bba55528ae (このIDを非表示/違反報告)
ふぃりあ(プロフ) - 桜刀/夢悪蝶さん» ありがとうございます!!とても嬉しいです…、更新頑張ります! (2017年9月28日 21時) (レス) id: 260828f0b6 (このIDを非表示/違反報告)
桜刀/夢悪蝶 - 続編おめでとうございます! 文ストはあんまり見ないけど、ふぃりあさんの作品を見て興味をもちました! 投稿頑張ってください! (2017年9月28日 20時) (レス) id: 1ef74e7ff5 (このIDを非表示/違反報告)
ふぃりあ(プロフ) - Maiさん» ココ、コメントありがとうございます!(・・、) そうなんですね!私も初めて知りました…。これで更新頑張れます。 (2017年9月19日 22時) (レス) id: 260828f0b6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふぃりあ | 作成日時:2017年9月17日 19時

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