検索窓
今日:9 hit、昨日:30 hit、合計:1,842 hit

96. ページ48

設営をしてくれたのは路地の方や、スラム予備軍あたりでたむろしていた大人たち。
子どもは孤児かどうかの確認をして、孤児なら孤児院に預けてきた。

これから聞くことは、明日の片付けを手伝ってくれるのかとか、これから何をするかとか。
残念ながらおれは雇えないけど、紹介状くらいなら書いてやれるとか。


「今お時間いいですか」

「アンタ……ご領主さま!?」

「ご領主さまが俺らみてぇなヤツらに何のようです?」


お酒を飲んで馬鹿騒ぎを始めようとしている路地の人の肩を軽く叩いて声をかけると、ざわめきが広がる。
肝の座った人が要件を訪ねてきた。
普通の人が貴族に話しかけられたらもっとビクビクするものだろ。
話しやすくてありがたいけど。


「できれば、設営した物の片付けもお願いしたいのですが、どうですか? もちろん、設営時と同じだけの給料を約束します。日雇いなので、終了時にはちゃんと手渡します」


ペラペラと条件を並べ立てて、仕事をしてくれないかと頼む。
すると、おれが話しかけたときと同じように、たまざわめきが広がった。
そんなに驚くことだろうか、なんて、思わず心のなかで首を傾げてしまった。


「仕事をくれるんはありがてぇ、です。参加させてもらいます」

「全員参加ですね。では明日の七時にこの広場に集まってください」


代表格のような大男の人が参加表明をしたので、全員参加にしておく。
えーと、3,000C✕40人だから、120,000C用意しとかないと。
税金から給料を出すのはもちろん、昼めしくらいは出してやるか。
名簿は昨日のやつを流用して……。


「ルーシフっ。怖い顔なってんで?」

「ん、ああ、サカタ様」


ぎゅうっという効果音が聞こえそうな力で背後から抱きしめてくる坂田様の声が真隣から聞こえたので、そちらに視線を動かした。
視線がかちあい、坂田様は満足げな笑顔に変わった。
怖い顔なんてしていただろうか。


「随分と近くないですか」

「そんなこと無いで? てか、眉間がすんごいしわしわやったよ」


呆れ混じりに軽く押しのけると、気の所為だとしてまた抱きつき、おれの眉間をぐりぐりとマッサージして伸ばす。
友達はこーゆー距離やろ、なんていわれてしまえば、ぐうの音も出ない。
友人判定になっていることは置いといて、そんな関係性の人はいなかったし。


「ご領主さま、そちらは……」

「学友のサカタです」


戸惑う彼らに簡単な紹介をして、軽く会釈をしつつその場を立ち去る。

97.→←95.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 4.6/10 (5 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2人がお気に入り
設定タグ:USSS , 悪役令息? , 男主
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

のんしゅ(プロフ) - ほんとですか!? 教えてくださりありがとうございます (2022年6月30日 19時) (レス) id: e89ed18301 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - オリジ/ナルフラグが立っているようですので、外していただくようお願いします。 (2022年6月30日 8時) (レス) id: 09c503bb24 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:のんしゅ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2022年5月15日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。