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厳密には魔法が解ける訳ではないけど、人の子は認識阻害魔法が使えないから、仕組みもよくわからないだろう。
こまかくいえば、認識阻害魔法っていうのは、その人がそこにいても違和感がないというふうに周りの人に誤解させる魔法だ。
だから、自分から目立つようなことをしたら当然目立ってしまう。
ようするに、一般人と同じ扱いをされるってことなんだから。
たぶん、ウラタくんやセンラくんなんかはふかく思索するタイプだからわかると思うけど。
シマくんやサカタくんは考えるより動くタイプだから、禁止事項を言い含めておく方が効果的だと思う。
「ベルちゃん! もう行くけど着いて来へんの?」
「ああ、行くいく」
人の子と遊ぶようになるなんて、原初の悪魔も随分丸くなったよね、と思いながら、彼らについて行くことにした。
◇
志麻side
「で、目的はあるん?」
「とりあえず、ルシフでも探そうや!」
屋敷の門から少し離れたあたりで集まり、言い出しっぺの坂田に訪ねると、妙案だとばかりの顔でそんな事を言う。
流石に、何を言っているのか理解ができなかった。
バレないように来たのに、なんでそんなリスクがあることすんねん。
「は!? いやいや、会ったら怒られるに決まっとるやん! さかたんがそこまでアホやとは……流石に…………」
「ちゃうわ! 夜の街を散策したいのもあってんけど、なしてルシフはこんな時間に出たんやろと思って。いやほら、自分では出るなとか言っときながらさ」
俺の気持ちを、というか、坂田を除いたこの場の人の気持ちを代弁するようにセンラ。
大げさな態度で片手で頭を抱え、軽く振ると、坂田が不満げに返す。
でも、今回ばかりはセンラが合ってる。
リスク大きいやろ、他にやるなんて言うやつ───
「いいね、やろう!」
ここにおった。
嘘やろ、なんて思ってうらたさんが同意する。
たしかに、たしかにルシフが何をしに出かけたのかは気になるけど、ルシフが家から出たらあかんていうたし。
「まぁでも、うらたんがやるって言ったし、センラも行くわ。なんかあったらうらたんに責任なすりつけるからな」
「じゃあ俺は坂田になすりつけとこ」
◇
「おかえりなさい“王太子御一行様”」
『ひえっ』
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のんしゅ(プロフ) - ほんとですか!? 教えてくださりありがとうございます (2022年6月30日 19時) (レス) id: e89ed18301 (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - オリジ/ナルフラグが立っているようですので、外していただくようお願いします。 (2022年6月30日 8時) (レス) id: 09c503bb24 (このIDを非表示/違反報告)
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