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「ん、ん……。ようこそ、我がワーウ領へ。そして、ようこそいらっしゃいました、我がワーウ家へ」
軽く咳払いをして深々と腰を曲げながらウラタ様たちを歓迎する。
頭を上げて笑顔を作って浮かべた。
「ではこちらへどうぞ」
「ルシフかっこよ……」
「え、ほんまもんのルシフ?」
「どういう意味ですか」
にこやかに屋敷の中へ案内すると、シマ様とサカタ様が目を見開く。
思わずサカタ様の言葉にツッコミを入れてしまった。
すぐに切り替え、エミリアやメイナが整えてくれたはずの部屋へ案内する。
「左手から、サカタ様、ウラタ様、センラ様、シマ様、エルさんです部屋の移動等はご自由にどうぞ。部屋の主の許可を得ておねがいします」
「ルシフは?」
「おれは書斎にいます。ベルを鳴らせばタナカ、エミリア、メイナの誰かが来ますので、お申し付けの際は呼び鈴を鳴らしてください」
場所を割り振る。
ウラタ様に訊かれ、正直に応えると、後で書斎に行ってもいいかと尋ねられる。
書斎の中にあるのは本と机、書類……見られて困るようなものは置いてなかったはず。
書類もだいたい申請のものだろうし、夕食の後は来ないだろ。
「来たいなら、まぁ、構いませんが」
「やった俺行く」
「うらさんずるいぼくも行く!」
歯切れ悪く応えると、テンション高めにウラタ様は来ることを宣言する。
追従してサカタ様も一緒に行く宣言をした。
行動するときはぜひとも護衛一人を付けてくれ本当に。
サカタ様が言い出してくれてよかった。
「ベルフェゴール様、荷物を出していただけませんか?」
「ちょっとまってね、このトランクケース誰のかな。ウラタくん?」
そう言って魔法の亜空間内からベルトが緑に染色されている革製の旅行カバンを取り出す。 留め具の装飾として使われているのは緑色の宝石。
利き宝石が出来るわけじゃないが、おそらくペリドットだろう。
「そう! ありがと、ベルちゃん」
「お安い御用さ。人の子は弱っちいから、身の丈に合わない荷物で潰れたりしたら大変だろう。このトリフェーンのはセンラくんかな。シマくんのはラベンダーアメジストのやつだね。サカタくんのはロードナイト。エルちゃんのは無装飾のやつ、ルシフくんはホークスアイのかな。これで全部だよ」
ウラタ様の言葉にベルフェゴールは煽りで返した。
注意したいところだが、ウラタ様と同等か、それ以上の存在である。
口出しはできないのだ。
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のんしゅ(プロフ) - ほんとですか!? 教えてくださりありがとうございます (2022年6月30日 19時) (レス) id: e89ed18301 (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - オリジ/ナルフラグが立っているようですので、外していただくようお願いします。 (2022年6月30日 8時) (レス) id: 09c503bb24 (このIDを非表示/違反報告)
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