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89. ページ41

「まずはおれの屋敷に参ります。そのあとは屋敷の中で自由行動をしていただきます。比較的治安が良いとはいえ、位の高い人ほど夜にうろつくのは避けていただきたいので。外には出ないでくださいね」


スラムは学校に入学する前に一つ残らず改善したから新しくできてないと思うけど、路地裏まで平和かと言うとそうだと言い切れない。
離れている短期間でスラム予備軍みたいなところができていても困る。
今日の内に回っておくか。
ご飯のあとにでも。

ウラタ様はおれの言葉を聞いて、あからさまにしょんぼりとした顔になった。
納得はしていそうだけど、重要な人間として扱われたくないのか?
それとも、夜中の街に行きたいと?
前から思っていたが、奇特な方だ。


「まあ、そりゃそうか」

「なぁ、もしかせんでも、あのお屋敷がルシフの家やったりする?」


おれの言葉に納得した様子を見せるウラタ様。
するといきなり、窓の外からサカタ様が話しかける。
話題に上がった屋敷はもちろんおれの家で合っている。
規模感は大商人の家と変わらない。
他の貴族みたいに大きくしても管理の手が回らなくなるだけだし。


「ルシフくんの家は小さいのね」

「必要以上に大きくする必要がないので。むしろ、嫌われているのによくもまあこんな大きい建物を建てられましたよね。厚顔無恥と言うか、図々しいと言うか」

「すっごい自虐するやん」


皮肉げに言うエルさんに返す。
エルさん自身は皮肉を言ったつもりはないのだろうが、声音が無意識にでもそう語っている。
貴族が全員大きい家に住みたいと思っているなら大間違いである。

そもそも嫌われてて、半分魔族、かつ紛い物貴族のおれたち一家がここまで大きい家と領、多くの領民が集まっただけで感謝すべきだ。
おれたちが持つには大きくて貴重すぎる宝だ。

おれの返答に言葉を重ねたのはシマ様。
あきれた様子で笑いながらこちらを覗き見る。
自虐と思ってしたわけではないが。
常識を口にしただけだと思っていたけど。
自虐ってもっとこう、『魔族のくせにのうのうと生きてて早く途絶えたほうが良いに決まってる』とか。


「それは置いておいて、感謝祭は三日目に行います。明日は街中にいけますよ」

「おすすめは?」

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のんしゅ(プロフ) - ほんとですか!? 教えてくださりありがとうございます (2022年6月30日 19時) (レス) id: e89ed18301 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - オリジ/ナルフラグが立っているようですので、外していただくようお願いします。 (2022年6月30日 8時) (レス) id: 09c503bb24 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のんしゅ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2022年5月15日 1時

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