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ニッコリと満面の笑みでここの女将さんが快諾してくれる。
それを聞いて安心し、早速一本ずつもらう。
もちろん、ソースもつけてもらってだ。
食べ終わって、会計を済ませると、オレは一旦部屋に戻った。
ルシフSide
目が覚める。
また違う天井だ。
あいつの速さだから、もうついているとばかり思っていたし、そうでなくても夜間飛行とかすると思っていたが。
まあそれはいいとして、今はどういう状況だ?
上体を起こし軽く伸びをしながら周りを見る。
ベッドの隣まで椅子を持ってきたのか、そこに座っていたウラタ様がすよすよと快適そうに寝ている。
見る限り、どこかの街の宿か。
魔族も人も、ってなると、スタック領だろうか。
「ウラタ様?」
「ん……。ルシフ! 目が覚めた? 体の調子はどう?」
「かなり好調───だと思います。おれが寝ている間にゼオルが変なことをしたりはしなかったですか」
もし変なことをしていたら制裁を加えるべきだな、何て思っていれば、何もされてないよ、などという。
まぁ、その言葉を信じよう。
当の本人であるゼオルはどこかへ行ってしまったようだが。
その後、ウラタ様に色々と話を聞いたが、やはりここはスタック領のようで、あの後すぐに着いて、宿をとったらしい。
ちなみに今は夜のようで、窓からは低いところにある赤い月と暗闇が見えた。
いかにも魔族が出そうな雰囲気だ。
少ししてゼオルも帰り、夕食を食べに行くことになった。
ウラタ様は、いつも通り美味いと言っていたが、おれとしてはいまいちピンとこなかった。
そもそもおれはあまり食に興味がないのだ。
その後は、特にすることもないため、菓子折りを買ったり散策したりとする。
「それで、いつ出るんだ?」
「朝、かなぁ。そしたら昼くらいにつくだろう」
そんな話をしていると、急に目の前に影ができる。
何かと思って見上げると、そこにはドラゴンがいた。
しかも、ゼオルの二個下、三階位の赤竜だった。
ゼオルは一番上、一階位。だから魔王。
どうやらぜオルを探し回っているようで、このあたりの上空から周囲を見回しつつ旋回している。
赤竜、ということはクレアさんかな。
クレアさんというのは、ゼオルの秘書で、世界に7対いる竜のうちの赤竜の座についている。
そして、ついに見つけ出したらしく、一直線にこちらに向かってきた。
こちらとぶつかる直前で人間の姿に代わり、地面に着地する。
器用なお人だ。
ゼオル以外にはおそらく、この人しかいないだろう。
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のんしゅ(プロフ) - ほんとですか!? 教えてくださりありがとうございます (2022年6月30日 19時) (レス) id: e89ed18301 (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - オリジ/ナルフラグが立っているようですので、外していただくようお願いします。 (2022年6月30日 8時) (レス) id: 09c503bb24 (このIDを非表示/違反報告)
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