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「───くん、ルシフくん」
「ん……。センラ様……？」
センラ様に名前を呼ばれ、目を開ける。
声が真上から聞こえたことに疑問を覚えながら顔を上げる。
すると、センラ様の顔が目の前に見えた。
んと、どういう状況だろう。
おれ、センラ様がいらっしゃる方と反対に体重掛けて寝たはずなんだけど。
なんでセンラ様の顔が目の前にある？
センラ様の首が伸びていらっしゃるわけでもないし、景色的にセンラ様側に倒れているようにしか見えないが……。
あ、ヤバい。
「申し訳ございません、センラ様。そちらに倒れているとは思わず」
「いや、センラマン自分でルシフのこと寄せてたよ」
「ちょっ、うらたん！ それは言わない約束やないですか」
勢いよく体を起こしてセンラ様に謝る。
これから馬車に同乗とか嫌がられそう……って、それは別に普通のことだし、今はそれじゃない。
そんなことを思っていれば、ウラタ様が茶々を入れ、センラ様が慌てたように声を上げる。
「どうしてわざわざ」
「頭ぶつかと思って」
思わず敬語を外して尋ねてしまう。
そのことに気分を害した様子もなくセンラ様は答えてくれる。
そこら辺の貴族だったら何かを仕込んでいるのかと疑っているところだ。
けれど、センラ様の言うことだし、本心だろう。
ここまで優しいのは慣れない。
「それは、お気遣いありがとうございます」
センラ様にお礼を言ったものの、理解できない行動の理由を当たりまえのように述べることになんとも言えない気分になる。
思わず目を逸らし、所在のない視線を車窓の外に向ける。
空は紺色で、星がまたたいている。
おおよそ予定通りか。
進行方向にはもうワーウ州が見える。
さらにその奥には魔の森だ。
すぐに関門へと到着し、一旦止められる。
「ルシフ・ワーウだ」
「身分を確認できるものをご提示ください」
「これでいいか？」
門番に言われて身分証を提示する。
それをしっかり確認した門番は後ろにいる部下らしき人に指示を出す。
数カ月は放置していたけど特に問題なく回っているようで良かった。
最悪、ここはおれたちの一族が滅びても回るようになっていたほうが良いかもしれない。
「それではお入りください」
門番の言葉を聞き、街の中に進む。
やはり関所のすぐ近くなこともあり、宿屋と屋台が充実している。
門のすぐとなりには冒険者ギルドも見える。
出やすいようにあの位置に配置したんだっけか。
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のんしゅ(プロフ) - ほんとですか！？ 教えてくださりありがとうございます (2022年6月30日 19時) (
レス) id: e89ed18301 (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - オリジ/ナルフラグが立っているようですので、外していただくようお願いします。 (2022年6月30日 8時) (レス) id: 09c503bb24 (このIDを非表示/違反報告)
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