魔法と禁忌2

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「ざっくりいうと、物価が最近上がっているせいで物が売れない。その中での通常額の税は重すぎるので減らしてほしいってことやねん。でも王宮も騎士への給料もあるわけやしさ。センラならどう判断するんやって訊かれて、一旦持ち帰らせてもろたんよ」


『ここ最近の悪天候により、という説明で材料となる小麦粉が通常通りの値段より三割ほど高くなったため、商品の値段も上がってしまった。そうすると街の人に買ってもらえなくなった。したがって、稼ぎが減ったため、減税を要求する。
　ここ最近の魔物(主にゴブリン系、オーク系)の活性化により、畑が荒らされた、という説明により、根菜類も葉物も値段が急激に五割ほど高騰したため、街の人に買ってもらえなくなった。したがって、稼ぎが減ったので、減税を願う。
　上記の理由などがあるため、我らは減税を要求する。
　下記は要求する者の署名である』


『小麦
　100C→130C
　葉物
　キャベツ
　50C→75C
　レタス
　150C→225C
………』


『三月一日 天候：晴れ
　三月二日 天候：曇り
　三月三日 天候：曇りのち雨
　三月四日 天候：雷雨
………』


一つは要求書、一つは今月の農作物の推移、そして、もう一つは今月の天気、気温、湿度のグラフだった。


「こっち二枚はセンラが集めた情報で、これがお父様が渡された課題、っちゅうか、減税要求書」

「随分意地の悪い課題をお出しになりますね。問題は、仕入先が王都近郊のみ、っていうところですが、王都近郊の農家は一箇所に固まりでもしているのでしょうか。しかも城壁外の」


小麦や根菜類はともかく、葉物野菜はだめになりやすい食材だ。
要求をだしているのは恐らく料理人の方なんだろうけど、そんなに商品に影響が出るものなのか。
料理に多少の工夫はできないだろうか。
他にも、いっそ『食材の良さを味わう』みたいな売り出し方も……って、そうじゃない。

近郊からしか葉物を仕入れられないのは難しいな。
それも魔物の影響なら、魔法の使えない一般市民は手も足も出ない。
勝つには付与魔法のかかった魔剣を使うくらいしか。
かと言って魔法を使える騎士団は気軽に派遣できない。
派遣してありませんでしたは不用意に王のいらっしゃる城を危険に晒すことになる。


「調査さえすればいけるのか……？」

「せやけど、どうやって調べんねん。騎士団は派遣でけへんのやろ」

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