71. ページ23
興味深そうにルシフを見て言う。
雑談に興じている間は大丈夫だと、こちらに剣をしまわせた。
内容は聞かないと言っていたのに、ルシフを殺す依頼だというベルフェゴールに、余裕そうな態度を見せる。
死んでもええってどういうこっちゃ。
ルシフが良くてもオレは許さん。
うらたさんやってセンラとかさかたとかもあかんっち言うやろ。
死んだらあかん。
そう思っていれば、ルシフはその期限を延ばしてもらえるよう交渉する。
わかっとる、人間いつか死ぬって。
それこそ、騎士の真似事をしとっても人が死ぬ場面は見たことがあるし、ルシフ、ちゅーより、ワーウ家は外聞的にも、魔物たちにだって殺される可能性があって、普通の人よりは死と近くにおる。
「きみのパパ、依頼完遂を見届けずに死んだからどっちでもいいんだよね。今頃パパは僕のおなかの中にいるよ。
きみが死にたくないなら殺さないでおいてあげる。面白そうだから出てきただけなんだ」
「ずっと地下牢におればよかったやん」
面白いという理由だけで、高度な物理障壁と魔法障壁の張られた、国一番の地下牢を壊されたらしい。
そんな程度の理由で壊されてしまったらこちらとしてはったものじゃない。
不満げにつぶやくさかたをなだめつつそんなことを思う。
「殺されないならいいが、このあとどうするつもりだ？ 周りに被害を与えるようなら討伐するしかないんだが」
「ずっと地下牢だなんてつまらないだろう？ それに、地上のものごときに殺される悪魔じゃないよ」
「楽しみたいなら周りをびっくりさせるな、無駄に周りに被害を与えるな、大人しくしてろ。頼むから」
説得しようとしているのか、当たり前だと言いたげに理由を話す。
確かに人間に悪魔は殺せない。
いるとするなら、勇者、とか、聖女、とか。
敵はいないというようなベルフェゴールに、お前はいるだけで恐れられるんだから、とルシフが釘を刺す。
「わかったよ。別にきみたちや有象無象に危害を加えるつもりはないさ。久々に外に出たかっただけなんだから」
「ならいいんだけど。それはそうと、お前、どこ住むつもり？ 住まなくても生きれるのか？」
「眠ったりする必要もないから、どこかで観光したり、その竜種の家に行ってもいいし、きみたちのところに乗り込んでもいいかな」
「いや、オレのところに来るのはやめてくれ。民が驚くだろう。クレアが一番驚く。怒られるのはオレなんだからな」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
のんしゅ(プロフ) - ほんとですか！？ 教えてくださりありがとうございます (2022年6月30日 19時) (
レス) id: e89ed18301 (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - オリジ/ナルフラグが立っているようですので、外していただくようお願いします。 (2022年6月30日 8時) (レス) id: 09c503bb24 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
