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62. ページ14

本当に応接間なのかどうかは知らない。
中に入れば、濃い赤色のソファが低いウッドテーブルを挟んで対面するように並んでいる。
奥は窓で、装飾品は一切飾られていない。


「なんつーか、質素だな」

「この城は要塞も兼ねていますから、ふつうそんなところに絵画なんて飾ってないでしょう? それと同じです」

「へぇー。要塞かぁ」


ウラタ様を座らせ、向かい側の椅子に腰掛ける。
ゼオルは多分クレアさんに怒られに行ったと思う。

少しすると、扉がノックされ、失礼しますとの声とともにゼオルが入ってくる。
その後に続いて、クレアさんも来る。
会談という公的な外交の側面があるからか、きちっとした格好に着替えてきたらしく、一国の王に見えなくもない服装になっている。

こちらを見た瞬間満面の笑みになるのは勿体ない気もするが。


「ここじゃあ狭いから、庭に行くぞ」







「へぇー、ずっと要塞っぽかったけど、こんな華やかなところがあるんだ」

「まぁ、オレに花の良し悪しはわからんが、庭師がきれいにしてくれているからな」


ゼオルはそう言いながら、花壇の方へと向かう。
おれもウラタ様も後を追う。
ゼオルは、適当に見繕った一輪の花の前で立ち止まり、しゃがみこんでバラに手を伸ばす。


「ゼオル?? 何やろうとしてんだ? もしかして、引きちぎろうとしてるのか?」

「え? だめなのか?」


驚いたようにこちらを見る。
その表情はまるで子供のようで、思わず毒気が抜かれる。
嫌でも、折角頑張って整えてくれたんだろ?
ちぎってやるなよ。


「いや、整備した人がかわいそうじゃん」

「それもそうか……」

「そんなことより早く話し合いするぞ」


形式だけで、中身はないに等しいのだけれど。
内容は、あの魔族の処分についてと、これからの国家間の外交をどうするか。
処分が生ぬるいものだったら、外交も見直さなければならない。

ゼオルは立ち上がり、花から離れる。
そして、東屋に向かい、一つの席に座った。

ウラタ様はそこと向かい合うようなところに座り、おれはその間に座る。
クレアさんはゼオルの後ろに控えている。

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のんしゅ(プロフ) - ほんとですか!? 教えてくださりありがとうございます (2022年6月30日 19時) (レス) id: e89ed18301 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - オリジ/ナルフラグが立っているようですので、外していただくようお願いします。 (2022年6月30日 8時) (レス) id: 09c503bb24 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のんしゅ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2022年5月15日 1時

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