検索窓
今日:30 hit、昨日:2 hit、合計:1,833 hit

61. ページ13

「俺もねぇな」


そんな話をしているうちに王都が見えてくる。
ウラタ様は、予想していたより大きかったのか、すげぇ! なんて子供のような反応をしている。
確かに人族の王都よりは大きい。
二倍くらいの広さはあるが、自治領というものの管理はあっても、おれたちみたいに魔獣に怯えたりしない分、ずっといなくていい。
だから貴族級はみんなここにいる。

門番にギルドの免許を見せて、そのまま中に入る。
ゼオルは顔パスで入り、ウラタ様はゼオルが身元保証人になって入る。


「あんまり変わんねーな、魔族も人族も。肌が黒くて角があるだけっていうか。羽とかねぇの?」

「貴族級にしかないぞ。平民で生えたら一番低い男爵級に引き上げだし、公爵であっても、なければ平民用孤児院に送られるってシステムだな」

「へぇ、大変だな」

「魔王だけは竜族確定参加の魔王決め大会でトップが魔王になる。負けた竜族はそれぞれの自分が守っている土地へと戻っていく。おれが守護しているのは代々ルシフの土地だな。人族領丸ごとじゃなくてな」


ウラタ様に尋ねられ、ゼオルがそれに答える。

人族は血統で決めている節がある。
血という抗えないものを理由とすることで、国民たちはトップに立つ者を神聖視しやすくなる。
短所は上に立つものによって国が揺らぎやすくなってしまうこと。

対して魔族は、戦って王を決める。
実力主義国家のこの国としてはかなりわかりやすいが、脳筋すぎて国を収められない無能が上に立つこととありえる。


「つまり、ゼオルが魔王じゃなくなっても、ルシフのところに行けば会えるってことだよな?」

「そうなりますね。ほら、着きましたよウラタ様。ゼオルも、クレアさんが待ってるだろ」


俺が指し示した先にはお城の風体を保った石造りの建物。
しかし、城と言うには飾りっ気がなさすぎる。
どちらかというと、要塞。
何かあった際には全員城に逃げ込むために作っているのだから、当たり前といえばそうなのだけれど。
ウラタ様は、おー、と呟いて建物を見上げている。
ゼオルは走って城の中に駆け込む。
中ではクレアさんが今か今かと待っているのだろう。


「そろそろ入りましょうか」

「あ、目的地ここか」







中に入ると、メイド長のマミィと執事のダンディがいた。
二人はおれたちを見て軽く頭を下げる。
ゼオルに応接間に通すようにでも言われたのか、こちらですと案内される。
遊びに来たときによく通された部屋だ。

62.→←60.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 4.6/10 (5 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2人がお気に入り
設定タグ:USSS , 悪役令息? , 男主
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

のんしゅ(プロフ) - ほんとですか!? 教えてくださりありがとうございます (2022年6月30日 19時) (レス) id: e89ed18301 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - オリジ/ナルフラグが立っているようですので、外していただくようお願いします。 (2022年6月30日 8時) (レス) id: 09c503bb24 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:のんしゅ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2022年5月15日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。