、 ページ46
康「っふっかさん!!」
照「っうわっ、吃驚した…康二、ふっか寝てるんだからもうちょっと静かに、」
康「それ処や無いんよ!もしかしたら、ふっかさんの
怪訝そうに眉間にしわを寄せていた照の紅い目が見開かれる。随分興奮した様子の康二は、辰哉が寝ている横に膝をつく。其のまま何の躊躇いも無く少し汗ばんだ着流しの前をばっ、と開いた。
康「…やっぱり!照にぃ、阿部ちゃんってどこ行ったん?!」
照「っえ、阿部なら、文献探してくる、とかいって村の書庫に行ったと思うけど…一寸待って、何が?」
康「…阿部ちゃんなら、蛇の呪いを解けるかもしれん。」
一呼吸つくと、康二は、蓮と一緒に『彼方』の世界に戻って聞き込んできたという話をし始めた。
…曰く、烏天狗には昔から「力」や「術」等を物理的に切る力が備わっているらしく。其れ自体は蓮も康二も、照も知っていたのだが。
康「呪術だって、言ってしまえば術の一つやし、しかも、阿部ちゃんは『あの』名家の生まれやろ?名前だした途端、向こうの知り合い皆して『あの家の烏天狗は人の「気」迄も切る。遥か昔に蠱毒使いの家を潰したこともある』って…だから、気付いてないだけで、阿部ちゃんも力を引き継いどる筈なんよ…!」
一気に話した康二の顔は、少し紅潮している。呆気にとられていた照は、戸が開く音にはっ、として立ち上がった。
蓮「っ康二!阿部ちゃん居た!」
亮「何かあったの?!説明してよ…!」
着物の裾をつかんだ蓮に連れられて、戸惑った顔の亮平が部屋に入ってくる。康二と蓮が説明するのを呆気にとられたように聞いていた亮平だが、話が終わると少し顔をしかめた。
亮「話は分かった、けど…俺、そんな力のこと、親からも聞いたこと無いよ?其れに、術を切る技なら、とっくにもう…」
蓮「多分、それはあからさまに出てる力じゃないと切れないからだと思う。でも、力がほんとにあるなら、可能性はある。…阿部ちゃんなら、救えるかもしれない。」
辰哉に随分となついたらしい康二も、力強く頷く。少し俯いていた亮平も、顔をあげて一度、頷いた。
亮「…分かった、やってみるだけやってみる。」
そういうと、愛刀を手にとって、辰哉が寝ている部屋に踏み込んだ。
ーーーーーー
次でラストです!
これから(三月頭位まで)かなり更新遅くなります…
リクエストの方、本当に申し訳ないんですが、もう少々お待ちください…
1064人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
莉月(プロフ) - 優さん» こちらこそリクエストありがとうございました!楽しんでいただけていたら幸いです。これからもよろしくお願いします! (2021年1月27日 7時) (レス) id: d1f373beb4 (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - お話書いて頂きありがとうございました!これからもお話楽しみにしています! (2021年1月26日 21時) (レス) id: a7e52b77bc (このIDを非表示/違反報告)
莉月(プロフ) - リクエストはここで締め切らせていただきます!リクエストしていただいた皆様、ありがとうございました!お話になるまで、少々お待ちください。 (2021年1月6日 11時) (レス) id: d1f373beb4 (このIDを非表示/違反報告)
莉月(プロフ) - さのちゃんさん» 最後の一枠なので大丈夫ですよー!リクエストありがとうございます。 (2021年1月6日 11時) (レス) id: d1f373beb4 (このIDを非表示/違反報告)
さのちゃん(プロフ) - まだリクエスト大丈夫でしょうか?橙くんが怪我して敵に捕まって黒くんがすごく怒るお話を読みたいです。よろしくお願いします! (2021年1月5日 21時) (レス) id: f84afddcf2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:莉月 | 作成日時:2020年5月30日 12時