閑話其の弐:菫の静謐 ページ41
とある休日、久方ぶりに晴れた陽射しが射し込む室内で、亮平と辰哉は並んで筆と紙を取り、辰哉が亮平に教えを乞うていた。
亮「〜で、此処の文字をこう入れて…ううん、此処じゃなくて此処ね。…そうそう。で、此処をこう折って、此処に文字入れたら…よし、これで完成！」
辰「おぉ〜！…って、これほんとに出来てる？俺何も感じないんだけど…」
亮「まぁ護符とはいえ、ちょっとしか霊力込めてないしね…でも、ちゃんとできてるよ。じゃあ試しに、あそこで寝てる翔太にこれ貼ってきてみて？」
辰「え、あ、うん…。」
そう言うと、立ち上がった辰哉は、部屋の端で布団に寝転がっていた翔太に近づく。あと一米、という所で、翔太は突然ばっ、と目を覚ますと、物凄い勢いで壁まで後ずさった。
翔「っななななななにっ？！うわっ、やめろ！くんなくんなくんなぁっ！」
辰「ええぇぇえぇえ？！何これ！何で？！」
翔「わかんねーのかよ！つーかまじでこっちくんな！阿部！お前これ大丈夫なんだからはやく持ってけよ！」
寝起きで肌蹴た浴衣はそのまま、やけに慌てた様子で怒鳴る翔太に戸惑う辰哉。其れを他所に一頻り爆笑した亮平は、つかつかと歩み寄って辰哉の手から護符を取り上げると、指先でペラペラと揺らした。
亮「…ね？こんな感じで、護符は妖にとって怖いものだったり、苦手なものだったりするの。俺は都に行くときに散々見たからもう慣れちゃったけど、大抵の妖は耐性がないから翔太みたいになる。はい、これでわかった？」
辰「おぉ…すげぇなこれ。此を作って持っとけばいいの？」
亮「そ。でも、あんまり使いすぎると耐性ついちゃって効かなくなるし、辰哉にも影響が出ちゃうから気を付けてね？」
辰「はーい。ありがと、亮平。」
翔「なんなのまじで…折角昼寝してたのに。」
拗ねたように布団に潜り込むのと同時に家の扉ががらりと開く。入ってきた照と佐久間と涼太は、亮平のおかえり、という声に各々返すと、草履や下駄を脱いで居間に上がった。
佐「だぁぁぁ…つかれたぁ〜〜！あべちゃぁぁぁん…」
亮「はいはい、お疲れさま。どうだった？」
照「特に何も居なかった。話だと昼夜問わず『出る』って話だったけど、影も見当たんなかったわ。」
辰「居なかった…って、あ、今日の朝言ってた…」
翔「…大蛇、だっけ。」
涼「そう。話じゃ毒蛇で、寺子屋の裏に出る、って話。…どうやら相当大きいみたいだよ。」
そう言って涼太は、意味ありげに辰哉に目をやった。
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莉月(プロフ) - 優さん» こちらこそリクエストありがとうございました！楽しんでいただけていたら幸いです。これからもよろしくお願いします！ (2021年1月27日 7時) (
レス) id: d1f373beb4 (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - お話書いて頂きありがとうございました！これからもお話楽しみにしています！ (2021年1月26日 21時) (レス) id: a7e52b77bc (このIDを非表示/違反報告)
莉月(プロフ) - リクエストはここで締め切らせていただきます！リクエストしていただいた皆様、ありがとうございました！お話になるまで、少々お待ちください。 (2021年1月6日 11時) (レス) id: d1f373beb4 (このIDを非表示/違反報告)
莉月(プロフ) - さのちゃんさん» 最後の一枠なので大丈夫ですよー！リクエストありがとうございます。 (2021年1月6日 11時) (レス) id: d1f373beb4 (このIDを非表示/違反報告)
さのちゃん(プロフ) - まだリクエスト大丈夫でしょうか？橙くんが怪我して敵に捕まって黒くんがすごく怒るお話を読みたいです。よろしくお願いします！ (2021年1月5日 21時) (レス) id: f84afddcf2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：莉月 | 作成日時：2020年5月30日 12時
