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…腹が、熱い…。
ぼんやりとした意識の中で、蓮はゆっくり記憶を辿る。…落武者の軍勢、乱戦、血の匂い、返り血…康二の叫び声。
蓮『…あぁ、俺、腹刺されたんだっけ…』
通りで腹がやけに熱いし、息がしづらいのか、と一人合点した。…しかし、普通の人間よりは傷の治りが早いはずなのだが、今回はやけに体が重い。
寝ているのか、起きているのかもわからずぼんやりしていると、ふと名前を呼ばれた気がして意識がゆっくりと浮上する。
蓮「…っぁ…」
辰「めめ？やっと起きた、良かった…あ、未だ体起こさないで。妖のことはわかんないけど、今多少熱あるみたいだから。…傷、痛む？」
心配そうな顔で覗き込んできた辰哉に小さな声で痛くはない、けど熱い。と答えると、熱持っちゃったかな…と包帯にそっと触れてから、腰を上げた。
辰「効くかは分かんないけど、薬湯作ってあるから持ってくる。解熱作用もあるから、一寸楽になるかも。」
蓮「…なんか、ごめんなさい。」
辰「これが俺の仕事だから、気にしないで！…戦闘だと、俺はお荷物になっちゃうから。」
小さく微笑んで辰哉が襖を開けると、その途端に何かが飛び込んできて蓮の布団に飛びつく。突然走った衝撃に蓮が顔を顰めると、其処にいたのは涙目の康二と心配そうな顔をしたラウールだった。
康「めめぇ…起きた…良かったぁ…！」
ラウ「めめにぃ、大丈夫？」
辰「はぁ…二人共、めめは怪我人だし熱も出てるの、だから…まぁいいや、薬湯持ってくるね。」
蓮「…康二、そろそろ離れて…はぁ、あっついから。」
康「めめ…っごめん、なさいっ…！」
康「っ俺のせいで、お腹…！しかも、目ぇ覚まさへんし、傷も全然治らんし…！俺、俺…！」
蓮「はぁ…康二、今回のは康二のせいじゃない。俺も早くに気づけなかったし、相手倒せたけど事故で食らっちゃっただけだから。…だから泣くなって。大丈夫、こんくらいの熱と傷ならすぐ治す。大したことないから…な？」
康「っ、めめぇ…！」
佐「しっつれいしまーす…ありゃ、お取り込み中だった？って、えぇぇぇぇーーー！？康二が泣いてる！？こ、これは事件の香り…！」
康「もぉぉぉぉ！佐久間くん！今ええとこやったのに！」
蓮「二人共うるさい…！」
ラウ「きゃはははっ！」
辰「こら！！病人の部屋で騒ぐな！！」
俄に騒がしくなった部屋に、数刻と経たずに笑い声が満ちる。いつの間にか、腹の熱さは随分収まっていた。
終
初ｒｑ、こんな感じで大丈夫でしょうか…？
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莉月(プロフ) - 優さん» こちらこそリクエストありがとうございました！楽しんでいただけていたら幸いです。これからもよろしくお願いします！ (2021年1月27日 7時) (
レス) id: d1f373beb4 (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - お話書いて頂きありがとうございました！これからもお話楽しみにしています！ (2021年1月26日 21時) (レス) id: a7e52b77bc (このIDを非表示/違反報告)
莉月(プロフ) - リクエストはここで締め切らせていただきます！リクエストしていただいた皆様、ありがとうございました！お話になるまで、少々お待ちください。 (2021年1月6日 11時) (レス) id: d1f373beb4 (このIDを非表示/違反報告)
莉月(プロフ) - さのちゃんさん» 最後の一枠なので大丈夫ですよー！リクエストありがとうございます。 (2021年1月6日 11時) (レス) id: d1f373beb4 (このIDを非表示/違反報告)
さのちゃん(プロフ) - まだリクエスト大丈夫でしょうか？橙くんが怪我して敵に捕まって黒くんがすごく怒るお話を読みたいです。よろしくお願いします！ (2021年1月5日 21時) (レス) id: f84afddcf2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：莉月 | 作成日時：2020年5月30日 12時
