ペットじゃなくて（ひまわりイエロー） (ページ7)

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Aside

2人で待つ間、

突然、車椅子の足元に男の子がしゃがんで

こっちを見上げた。

髙「あの…」

潤んだ瞳で、言葉に詰まっていて、

彼は悪くないのにまた必死に謝罪の言葉を伝えてくれるんだと思って、いたたまれない気持ちになった。

「髙橋くん…だったよね？」

髙「…はい」

「さっきも言ったけど、髙橋くんは何も悪くないでしょ？

だから、もうこの件は終わり。

髙橋くんや事務所の方からのごめんなさいはもう聞かないからね」

笑ってそう伝えると、

髙「ありがとうございます…。

あの、ほんとは僕もちょっと…怖くて…

週刊誌の人、なんですけど…」

ナントカ砲、ってやつか…。

髙「熱愛なんてないし、そもそも自分の家にまで来られちゃうのが怖くて…

後つけられてたんだって思ったら…」

熱愛スクープ狙われてたんだ。若い子なのに可愛そう。

彼は相当に不安に曇った顔をしていた。

「そっか…そうだよね、知らない人がお家の前に来て話しかけてきたら怖いよね」

髙「あの、僕…まだデビューしたばっかりでこうゆういきなり取材されるの慣れてなくて

びっくりしちゃって、

何も答えられないって言ってるのに必死で追ってくるから、こうやって…

Aさんにも怪我を…」

落ち込んだ犬、いや、ウサギ？そんなイメージだった。

いつのまにか、彼は私の乗る車椅子のフレームを両手でギュッとつかみながら俯いていた。

「…最近仕事が特に忙しくて。ちゃんとテレビ見てないんだ。

ごめんね、なんていうグループなの？」

彼が、顔を上げてグループ名を伝えてくれた。

「あぁ～、会社の人でも何人か好きな人がいたなぁ。

ごめんね、ほんと疎くて。笑」

髙「いやいや！僕たちまだまだなので。」

車が見えて、

彼が車椅子を押してくれて病院を出た。