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Aside
取引先との契約がうまくいったはいいけど、
そのまま取引先と会食の流れに。まぁ予測はしてたけど。
会食の時間までにケーキを買いに行った。
会社の冷蔵庫に入れておいて、
会食のお店に早めに行って冷蔵庫に保存してもらう。
取引先を見送ってからお店に戻ってケーキを引き取りに来ますと伝えて。
……会食が始まってからというもの、モモのことが気になって相手の話に全然集中できない。
待ってるかな。待ってるよね。拗ねてるかな。
…いや、自惚れすぎかな。私なんかいなくても、お仕事の人たちと祝いしてるのかな。
私なんかいなくても、、取材とか撮影の現場に行くたびにケーキが出てくるんだよね きっと。
とたんに、切なくなってスーツのジャケットの裾をギュッと握りしめた。
グラスにビールを注がれ、
無理して笑顔で、いただきます、と言ったとき
モモの、外でベロベロになっちゃダメという声が頭に響いた。
だから、本当にちょこっとだけにした。
23時半頃にようやくお開きになった。
箱の中のケーキが心配で、駅や電車で人にぶつかりたくないからタクシーを拾った。
日付が変わる前に家に帰らなきゃ。
その一心で。
玄関を開ける直前、携帯を見ると
00:02 と表示されていた。
…家に入ると真っ暗で、モモの靴もない。
「モモっ!!」
いない。モモがいない。
ケーキの箱をテーブルに置いて、寝室に向かって走る。
「……いない」
家の中のどこにもいない。
膝から崩れ落ちそうになりながらも、ケーキを冷蔵庫に入れた。
スーツのまま、ソファの下に座った。
ソファの乱れて置かれたクッションを一つ手に取って抱きしめた。
「っ…ぅっ…モモの匂い……」
お誕生日の約束……きみは、モモじゃなかったね。
モモじゃなくて、
「……海人くんっ」
涙が溢れて止まらない。
誕生日をお祝いするときにこのまま居てもいいか返事をするって約束してたから、
約束を破ったから、出て行っちゃったんだ。
そのクッションをテーブルの上に置いて
顔を埋めて声を出して泣いた。
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どさんこ(プロフ) - とても面白い作品に出会えて嬉しいです!海ちゃんの可愛さが出て読んでいてワクワクしております!これからの続きも読ませて頂きます。 (2020年9月3日 18時) (レス) id: 2b49440ff5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あおゆ | 作成日時:2019年8月4日 19時