弊社、JWHDは、、、(JW全員)4

177ー桃 ページ43

小瀧side









いつのまにか人がいなくなったオフィスで、俺は何してんねやろ。アホや。









Aさんに残業させるくらいなら、昼間 早めに誰かに助けを求めればよかった。






けど、まだまだ下っ端の自分のせいで誰かの時間を奪うなんてありえへんやろって素直になれんかった。






でも…気の遠くなる作業で、心細かった。先輩にもめっちゃ怒られたし。









「こ、小瀧くん…あの…」









きっと、その先の言葉は ”離れて“ やろうなって思ったけど、







それに反して俺の腕は力を強めた。









小「すいません、あともう少しだけ……」









手伝うって言ってくれたときも、終わったときも、とにかく優しい顔で褒めてくれた。









情けないけど、こうゆうとき優しくされると逆に泣けてくんねん。









Aさんの匂い、安心する……









あ〜、俺どんどんアホで貪欲なこと考えてる。









抱きしめ返してくれへんのかなって。









「…疲れちゃった、のかな…？」









さすがに、、もう離れな困らせてまう。









ゆっくり離れたけど、顔見れへん。









気まずさを打ち消すようにAさんの携帯が鳴った。









電話に応答するAさんの顔を盗み見たら、真っ赤だった。









「あ、ごめん、、もう終わったから。…え？ううん、大丈夫だよ。




うん、うん、わかった、ありがとう、急ぐね。」








Aさん…予定あったんや。もう行ってまうんや。









電話を切って、なんともいえへん顔でこっちを見た。









小「すいません、引き止めてしもて…あの、」









「…じゃあ、私 行かなきゃ…お疲れ様っ」







急にバタバタと出て行くAさんの背中を見て、






最後にちゃんとお礼を言うのを忘れたことに気がついてでっかいため息が出た。








自分の甘えたい欲だけぶつけて感謝も伝えないなんて、社会人としてどうなん俺……

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